東京湾の水門問題

3・11の反省の一つは、東京湾内の水門閉鎖が遅れた問題でした。24時間、水門に人が配置されていればいいのですが、そうでない水門がほとんどなのです。
3・11の地震では、発生から電話がつながらず水門を閉めるべき人に連絡が取れない、連絡が取れたケースでも交通渋滞などで水門までたどり着けませんでした。
そこで、遠隔操作によって閉めればよいということになります。ところが、言うは易くこれがなかなか難しいのです。
まず、どういう状態のときに閉めればよいのかという問題があります。
人を介さずに水門閉鎖が行われるためには緊急地震速報やJアラートに連動させる考えもあります。しかし、その信頼性は大丈夫でしょうか?
担当者がテレビやラジオで情報を得て閉鎖するという方法もあります。どういう状況の時に閉めるか意外と難しいことが分かります。
高潮でしたら天気予報などであらかじめ予想がつくのですが、地震はそういうわけにはいきません。
次に、どういうメカニズムで閉めるのかと言うのがまた難しい。
東京湾内には29の水門があり、そのうち人の手によって対応できるのが12だと言います。しかし、24時間体制なのは2つの水門だけですから本当はきちんと遠隔操作ができるのならすべてやってしまうべきなのです。
しかし、一つ一つ異なる水門に一つ一つ異なるモーターを設置して・・・と考えただけで頭が痛くなる事業です。
モーターが付いたら終わりではなく、メンテナンスなど維持管理も非常に難しい問題です。普段ほとんど使わない機械を常に万全に作動するように維持管理をするというのは至難です。
さらに、停電になったから閉まりませんでは地震の時に役に立ちません。どういう方法で閉めればよいのでしょうか?
私は、もし遠隔操作以外できちんと閉める方法があるのなら、そちらを選択する方が良い気がします。
3・11は私たちにこれまでなかった困難さを次から次へと突き付けています。そしてそれを乗り越えないと私たちの安全安心はないのです。


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