月別アーカイブ: 1月 2012

政治(家)改革の条件

『国家の発展は、人民各自の勤勉の力と真面目な行いとが総合して現れるものである。国家の衰退は、人民各自が怠慢で利己的になり、悪行が積み重なった結果である。』(「自助論」S・スマイルズ)
この人々に自立を促す大著のテーマは、必要条件であっても十分条件ではないと私は思います。
Aという商品を選ぶかBという商品を選ぶかというとき、私たちは優れた方・使い勝手の良い方を選びます。その際、買った商品に欠陥があった場合は製造者に苦情を出すこともありますが、良いものを買ったと思った時には私たちは声を上げません。次にもその商品を買うだけです。
政治に対しても同じで、政策に反対の時には声を上げますが、賛成の時には声を上げません。これは自然な行為なのだと政治家は素直に受け止めねばなりません。
政治をよくする場合の問題は、第一にAがダメならBという選択肢が確保されているかどうか、第二に、選択が正しく行えるかの2点です。
間違っても大連立のような選択の自由を奪う手法はあってはなりませんし、選ぶべき候補者が一人しかいないという状況をつくり出す選挙制度、一人しかいない状態をつくってしまいがちな選挙制度は間違いだと思います。
次に、正しい選択とは何かというのが第二の問題です。
小選挙区制度というのは、どうしてもその選挙区に限っての正しい選択になりがちです。
社会問題における対立のパターンとして、その地域で正しいことがもう少し広い範囲、広い地域では正しくないことがしばしばあります。
八ツ場ダムは、洪水の脅威と関わりのない人には必要ないものでも、利根川、江戸川近くに住む人たち、ゼロメートル地帯に住む人たちには必要だとなります。北陸新幹線は、使うことのあまりない人には不必要でも沿線の人たちには必要ということなります。
紙数がつきてしまいますので、いきなり結論めいた話になってしまいますが、そもそも地域単位での選挙制度が本当に正しい選択となるのかは、おそらく将来世界の大きな課題となると私は思います。
地域単位のみならず課題単位の選択という新たな選挙制度を模索することになるのかもしれません。
いずれにしましても、まず第一の段階、すなわち『自立』を私たちは今一度心していかねばなりません。

ひどすぎる野田さんの演説

「ひどい」の語源は「非道」すなわち「道に非ざること」です。
1月21日付「夕刊フジ」の『鈴木棟一の風雲永田町』に書かれていた野田総理の2009年8月の大阪府堺市での街頭演説をYouTubeで見てみました。
さすがにひどい。道に外れた発言だと言わざるを得ませんでした。
野田総理は、消費税増税を「不退転の決意でやる」「ネバーネバーネバー・ギブアップだ」と言っています。
その同じ人物が、2年半前にはどう言っていたか?

「(マニフェストに)書いてあることは命懸けで実行する。書いてないことはやらないんです。それがルールです。」
「書いていないことを平気でやる。これっておかしいと思いませんか?書いてあったことは4年間何もやらないで、書いてないことは平気でやる。それはマニフェストを語る資格がない。」
天下り法人をなくして、天下りをなくす。そこから始めなければ消費税増税はおかしいんです。徹底して税金の無駄遣いをなくしていく。それが民主党の考え方です。」
「天下りを許さない。渡りは許さない。それを徹底していきたいと思います。」

YouTubeの映像には、道路脇で演説する野田さんと、その野田さんの演説にいちいちうなづいている民主党候補らの姿があります。この脇でうなづいている人たちは、いま何とも思っていないのでしょうか。
このYouTubeを見た人たちの感想が秀逸です。
「この野田っていう人の言うとおりだと思う。今の総理大臣に聞かせてやりたい言葉だ」
こうした批判精神があるうちはまだまだ日本も大丈夫だという気にさせられます。しかし、正論に耳を傾けていたら民主党代表など務まらないのが現実なのでしょう。
「演説はうまいが中身は詐欺」
おそらく現在のわが国の多数意見だと思います。

松戸市立病院の小児科の力

松戸市医師会のW先生(小児科)より、松戸市立病院小児科について伺いました。
それは、ひとりでも多くの市民に知っていただきたい内容でした。

第一に、心肺停止した小児のここ10年間の平均救命率が、実に64%です。
来院時に心肺停止状態のお子さんの半数以上を救っています。全国平均がせいぜい20%台である中で断トツの成績です。
たとえ夜間であっても当直2名の医師はじめ小児救命に熟練したチームが対応しているから可能な救命率だとのことです。

第二に、2009年のインフルエンザ入院患者の約2割を松戸市立病院が引き受けました。
インフルエンザでの入院はもちろん重症ということです。その重症患者が県内で1046人でした。
そのうち松戸市立病院では194人。2番目の千葉市立海浜病院が117人ですから松戸市立病院の大奮闘が分かろうというものです。
さらにその際、呼吸不全のために人工呼吸器を使用した小児は県内で21人、うち松戸市立病院では5人。その5人とも救命したとのことです。

第三に、千葉県内の重要な位置づけです。
千葉県には小児救急の中核病院は4つあります。すなわち、千葉大学・千葉こども病院、東京女子医大八千代医療センター、旭中央病院、そして松戸市立病院です。
これらの病院の位置は千葉市、八千代市、旭市、松戸市ですから最も人口が集中している東葛地域の要が松戸市立病院ですし、実力的にも千葉大学と並ぶ2大拠点病院の一つだそうです。

W先生は、「松戸市立病院があるから、患者さんは安心して開業医や民間病院にかかれるのです。」「東葛北部130万人のある意味では最後の砦なのです。」と力づよく語っておられました。
私も何度も述べてきましたし、このブログにも書いてきましたが、万が一にもこの小児救急チームが無くなってしまえば、二度とつくることはできない大事な大事な宝だと思っています。

イランの核開発

1月18日の公明新聞の『主張』の表題は、「イランの核開発」でした。
そして、「対話が現状打開の鍵だ 日本のパイプ生かした外交を」という見出しになっています。
この主張は正しく、どこにも間違いはありません。
それに、この『主張』では触れていませんが、北朝鮮の今後の動きにも目を配らねばなりません。
北朝鮮の指導者が二男に代わり、彼が権力を掌握するために、あるいは権力を掌握しきれずに核をてこにする可能性があります。
食料が手に入らない、金融制裁により経済も一層厳しさを増す、そこで同じように制裁を受けているイランと手を結ぶ。そのためのアピールに核実験をしてみせるということもあるかもしれません。
私たちは隣国であるがゆえに『窮鼠猫を噛む』事態にも備えていなければなりません。
政府与党は、最低限でも「こうなったらああする」「ああなったらこうする」というケーススタディは頭の中になければならないのが常識です。
しかしながら、私たちの常識はせいぜいここまでです。世界の恐ろしさは遥かその上を行っているのかもしれません。
それは、核開発をリードするイラン人科学者が次々死亡しているというのです。すでに6人目と聞いています。
仮に殺人であるとするならば、誰が犯人かは分かりません。まったくたまたまイラン人科学者が亡くなっているだけなのかもしれません。
しかし、中東で起こることにはどうしてもその裏の意味を考えてしまいます。
何が起こってもおかしくない地域であり、十字軍の時代やさらに紀元前から様々な紛争が起こってきた地帯だからです。

年頭視閲に参加

今日は幕張メッセで行われた千葉県警察本部の年頭視閲に参加させていただきました。
最初は、写真のような音楽隊の演奏やフラッグの演技からスタートしました。
その後に、成田空港の機動部隊や要人警護のSPの皆さんの訓練などがあり、向かい側にいた保育所の子どもたちの目にはどういう風に映っていたかに興味があります。
本年も県民の命と安全を守る警察の皆様に心から敬意を表しつつ期待を寄せるものです。