政治(家)改革の条件

『国家の発展は、人民各自の勤勉の力と真面目な行いとが総合して現れるものである。国家の衰退は、人民各自が怠慢で利己的になり、悪行が積み重なった結果である。』(「自助論」S・スマイルズ)
この人々に自立を促す大著のテーマは、必要条件であっても十分条件ではないと私は思います。
Aという商品を選ぶかBという商品を選ぶかというとき、私たちは優れた方・使い勝手の良い方を選びます。その際、買った商品に欠陥があった場合は製造者に苦情を出すこともありますが、良いものを買ったと思った時には私たちは声を上げません。次にもその商品を買うだけです。
政治に対しても同じで、政策に反対の時には声を上げますが、賛成の時には声を上げません。これは自然な行為なのだと政治家は素直に受け止めねばなりません。
政治をよくする場合の問題は、第一にAがダメならBという選択肢が確保されているかどうか、第二に、選択が正しく行えるかの2点です。
間違っても大連立のような選択の自由を奪う手法はあってはなりませんし、選ぶべき候補者が一人しかいないという状況をつくり出す選挙制度、一人しかいない状態をつくってしまいがちな選挙制度は間違いだと思います。
次に、正しい選択とは何かというのが第二の問題です。
小選挙区制度というのは、どうしてもその選挙区に限っての正しい選択になりがちです。
社会問題における対立のパターンとして、その地域で正しいことがもう少し広い範囲、広い地域では正しくないことがしばしばあります。
八ツ場ダムは、洪水の脅威と関わりのない人には必要ないものでも、利根川、江戸川近くに住む人たち、ゼロメートル地帯に住む人たちには必要だとなります。北陸新幹線は、使うことのあまりない人には不必要でも沿線の人たちには必要ということなります。
紙数がつきてしまいますので、いきなり結論めいた話になってしまいますが、そもそも地域単位での選挙制度が本当に正しい選択となるのかは、おそらく将来世界の大きな課題となると私は思います。
地域単位のみならず課題単位の選択という新たな選挙制度を模索することになるのかもしれません。
いずれにしましても、まず第一の段階、すなわち『自立』を私たちは今一度心していかねばなりません。


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