日別アーカイブ: 2011年11月10日

仕組み債その後

オリンパスの損失が1000億円というニュースが流れています。
本業以外で本業を揺るがすほどの失敗をしてしまう怖さです。
このニュースを見ていて思い出したのは、いくつかの自治体が買っていたという例の『仕組み債』のことです。
昨年の今頃は国会でも西田まこと参議院議員が取り上げるなどあれほど大騒ぎになっていたのに、不思議なことに今は話題にもなりません。
しかし、円高が進めば進むほど仕組み債は損失を拡大していくという話だったはずです。100円を切った段階でとんとんということでしたから、いまはもう目も当てられない状況でしょう。
財政的に豊かであたっとしても、それはそれでこういう落とし穴があるという手痛い教訓です。
私が、とりわけ問題だと思うのは、仮に運用に失敗したとしても、それが地方自治体の健全財政をチェックする指標のどこにもひっかからないということです。
仕組み債を購入した自治体は、住民や議員にどういう説明をしているのでしょうか?
こうして民間金融機関は、リスクについてあまりに無知な自治体を餌食にしているのでしょう。
オリンパスの損失問題を自治体財政当局が他人事だと思っているとすれば、またそこに「カモがいる」ということになるのでしょう。