今日、東京大学弥生講堂一条ホールにて日本地球惑星科学連合の主催する『震災を振り返り、未来へつなぐ』という講演会があり、参加させていただきました。
日本地震学会の石川有三副会長のお話を伺って、確かにもう一度、3・11の発端を振り返ることも大事だなと思いました。
気象庁のホームページの報道資料をみると、まず3月29日の『平成23年東北地方太平洋沖地震以降の緊急地震速報(警報)の発表状況について』というお詫び(?)が目につきました。
これは「緊急地震速報が適切に発表できていない事例が生じており、」その原因について、①異なる場所でほぼ同時に発生した複数の地震を一つの地震として処理した②停電や通信回線の途絶によってデータ処理できる地震計が減少したというの要因をあげています。
そこで、もう一度3月11日16時発表の『平成23年3月11日14時46分頃の三陸沖地震について』を見てみます。
これは17ページのぺーパーですが、その11ページ目に『緊急地震速報の詳細』という第一報から第15報までの一覧表があります。
この表によれば、第1報は14時46分45.6秒に宮城県沖の深さ10キロメートルの海底でマグニチュード4.3の地震が起こったという検知結果になっています。
以下、第7報まで同じ場所で、第1報を起点にして、1.1秒後にM5.9、2.1秒後にM6.8、3.2秒後にM7.2、4.2秒後にM6.3、5.3秒後にM6.6、そして5.6秒後にM6.6の地震を検知しています。
さらに検証してみますと、当初はマグニチュード8.4としてましたが、それを8.8と変更したのが17時30分発表の第3報です。
ご存知のように最終的にはM9.0となるわけですが、8.8が9.0に修正されたのは3月13日12時55分発表の第15報です。
この15報にはこう書かれています。
「外国の地震観測データを用い、本震による震源域の破壊の進行の様子を調べたところ、通常より複雑なかたちで3つの巨大な破壊が連続して発生していることがわかりました。このため再解析した結果、地震の規模は、マグニチュード9.0であることが分かりました。」
考えてみれば、当たり前のことですが、大きい地震だからと言って、いきなり大きく震源域が破壊されるとは限りません。一番目はM4.3クラスの割れ方をして、その後に巨大な破壊があることもあるでしょう。
また、ここで指摘されているようにいくつかの破壊が連続して起こることもあるでしょう。
そういう割れ方まで考えると、「いついつ、どの程度大きさの地震が起こる」という、いわゆる予知はほとんど無理だろうと結論づけるのが常識のように思えてなりません。
Deprecated: Function get_magic_quotes_gpc() is deprecated in /home/na-tive/www/lab_fujii/wp-includes/formatting.php on line 4358