月別アーカイブ: 9月 2011

放射線障害は30年後

児玉龍彦教授の『内部被曝の真実』(幻冬舎新書)を読みました。
同教授の怒りの本質は、「一片の通達で責任逃れをしている国のやり方」「本来やるべきことをやらずに子どもや住民を被ばくの危険にさらしている国の不作為」なのだと思いました。
同教授は、内部被曝に関しては「一番必死に研究しております」と第一人者の自負を述べられています。
そして、『ヨウ素131』は甲状腺に集まり、『セシウム』は尿管上皮や膀胱に集まるとしています。(ホールボディカウンターで全身をスキャンしても無意味だとも・・・)
チェルノブイリの事故の際に、子どもの甲状腺がんが問題になりましたが、笹川財団の資金によって5万人ほど調べたものの、WHOが放射性ヨウ素と甲状腺がんの因果関係を認知したのは20年たってからでした。
半減期が短いために放射性ヨウ素はすでに無くなってしまっているにもかかわらず、その被害は20年から30年後に出るというのですから、長期的な腰を据えた健康診査体制が必要です。
一方、膀胱がんとの因果関係が疑われるセシウムについては因果関係が明らかになるのはさらに長期化するだろうと言います。
つまり、現時点では証明できない。しかし、証明できないから因果関係はないとも言えません。
すると、被曝による危険性を認識するのは被曝した本人しかいないということになります。
そうであれば、少なくとも被曝した本人は自分の被曝線量を知る権利があります。
放射性物質を拡散させてしまった国や東電は、被曝線量測定に責任を負うべきと思います。
この世にセシウムという物質が現れてからわずか66年しかたっていません。この放射性物質が人体にどういう影響を及ぼすのか研究は始まったばかりだということのようです。

『脚下げ』に注目

今朝の千葉日報に注目記事がありました。ほとんどの方には読み飛ばされてしまうかもしれません。
『北側進入時の脚下げ 場所指定可能か検討』という見出しです。
9月12日の成田市議会空港対策特別委員会で、「国土交通省が北側から着陸する際にも航空機のタイヤをあらかじめ決めた場所で下ろすルール化が可能か検討を始めた」と報告されたというのです。
実は、航空機が成田空港へ南側から着陸するときは、太平洋上で『脚下げ』を行うのです。
これをすると燃料を食いますし、何よりも騒音にも影響します。しかし、氷塊や部品が民家などに落ちては大変なことになりますので行っているのです。
ところが、北側には洋上がありませんので陸地の上空で『脚下げ』が行われています。
そこで、民家のない場所を選定して脚下げをルール化しようという記事です。
私には、世界の航空事情はよくわかりません。各国の内陸型空港でどういうことが行われているのか、そもそも成田ほどの着陸数があるのかなど残念ながらわかりません。
『脚下げ』はパイロットの間では不評です。飛行機の安定性にも影響があるのだと言います。
しかし、今後ローコストの航空会社の参入が加速化することは時代の流れでしょうし、またそうあらねばならないと思います。その際にはやはりルール化は重要です。
この議論は、あまり目立たないことは確かですが、今後も注視してまいりたいと思います。

もう一つの『先送り』

3月11日の未曾有の大震災とそれに伴う巨大津波、放射性物質の大量拡散は、期せずして菅総理の延命要因となってしまいました。
総理退陣どころではないという国民の意識はその通りだと思います。
しかし、その一方で衆議院だけでも300人からいる民主党議員が何をしていたのかさっぱりわかりません。
具体例をあげましょう。
たとえば年金問題です。年金は地震があろうとなかろうと、改正すべきところがあれば改正しなければならない重大課題です。
民主党は2003年の衆議院選の時から厚生年金と国民年金の一元化を主張してきました。また、税を財源として7万円の「最低保障年金」の創設を訴えてきました。
もうすでに8年以上たち、政権を取ってから、震災の前からも何にも手をつけていません。これは一体どういうことでしょうか?
民主党が「ベストの案だ」と言っていた年金制度について、2010年2月の国会で「原案を示す」と答弁したのは、鳩山内閣時代の菅財務相です。
その菅さんが総理になり、まったく何もしないうちに1年以上たってしまい、その後の3月11日に大震災が起こったのです。
おそらく多分、野田さんもこのまま最後まで頬被りすることと思います。
そうなれば、いくら民主党とは言え、まさか、次のマニフェストにも「すべての年金を一元化し、最低保障年金を創設します」と主張するほど恥知らずではないでしょう。
民主党政権は、菅さんの総理延命だけではなく、本当は実現できないマニフェストについても、その理由として今回の大震災を利用しているように見えてならないのです。

「ねじれ」は永久(とわ)に

「ねじれているのは与野党だけではない。民主党内こそねじれている」
木更津を訪れた太田昭宏前公明党代表は小気味良く喝破しました。
私も全くその通りだと思います。
私が、真っ先に思い出したのは琉球新報が本年2月20日報じた『民主党衆議院議員16人会派離脱』問題です。
これなどわずか7か月前の出来事です。
やはり、基地問題はじめ国の外交に関する問題や国旗・国歌と言う国の根幹にかかわる問題では、民主党はどうしてもまとまることができません。
ですから、一国の総理大臣であるにもかかわらず、左の人にも右の人にも納得してもらえる話をしなければならず、その結果嘘をついてしまったというのが鳩山さんでした。
進歩党から社会党まで、これだけ正反対の考え方の人たちが集まっているのですから、挙党態勢は片目をつむって綱渡りをしているようなものです。
今回の野田新代表選出過程のわかりにくさも民主党内の「ねじれ」に起因していると思います。
せっかく三党合意が成立したのですから、一刻も早く懸案事項を解決して欲しいものです。
第3次補正予算、来年度予算などが民主党内の、良く言えば「ねじれ」、率直に言えば「内紛」によって、国民を巻き込むことだけはやめてもらいたいと切に願います。
震災から半年がたって、未だに本格的復旧復興予算が執行されていないという事実を真面目に反省して欲しいと思います。

夏季議員研修会in木更津

今年の夏季議員研修会も無事終了しました。
今回は、県本部はじまって以来の青年議員中心の運営となりました。実行委員会の皆様、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。
例年盛りだくさんの研修ですが、今回も研修プログラムは5コース。しかも、研修Ⅱは「津波対策」と「液状化対策」の2講座のいずれか選択制としましたので、大勢の講師の方々に木更津のかずさアカデミアホールまでご足労いただきました。ありがとうございました。
おかげさまで非常に実り多い研修会となりました。
また、最後の研修Ⅴでは太田昭宏前代表においでいただき、具体的かつ実践的な貴重なお話をしていただきました。参加者一同、喜んで現場へ地域へ帰っていったことと思います。
議員の日常は本当に忙しく落ち着いて勉強する時間がなかなか確保できません。実践の中で力をつける以外にありません。
そういう覚悟で動き、学び、大衆の中に飛び込んでまいりたいと思います。