日別アーカイブ: 2011年9月2日

驚かされる記事

時々驚かされる記事があります。今朝の千葉日報がそれでした。
『八ツ場ダム検証作業やり直しを要請へ』という見出しで、「1都5県議会議員の会」という団体が国土交通省へ申し入れをするという記事です。
ことの起こりは、民主党がマニフェストで八ツ場ダム建設を中止するとしたことです。
ダム建設を中止するのであれば、当然ダム以外の治水方法を提示しなければ無責任です。
そこで国交省に検討させましたが、出てきた案が静岡県の富士川から利根川への導水路をつくるというものだったのです。
これではダムをつくった方がはるかに安上がりですので、「検討しなおせ」という要請をするという顛末です。
しかし、現実問題としてダム以外にうまい方法はなく、かつダムが一番安上がりだったということに他なりません。それを、自分たちの思うようにならないから「別の案を出せ」というのはほとんど言いがかりのように思えます。
さて、それでもここまでの記事ではとくに驚くことは何もありません。いつものことをいつものようにやっているなと思うだけです。
私が驚いたのは、記事の中に『民主、公明、共産党などの約30人が出席。』と書かれていた点です。
道理の通らない要請をするのに公明党の議員が参加するはずがありません。私はそれに驚いたのです。
1都5県の同僚議員に確認しましたが、みな「そんな総会には出ていない」と言います。
結果的には、八ツ場ダム反対の主催者が「公明議員もいた」と間違ったことを記者に伝えてしまったようです。
実は、かつてこの会の人から批判されたことがあります。
私たちが国交省に対して「きちんとデータを示すべき」と要請したのに対して、その人は「国交大臣は2代続けて公明議員だったのに、何を言っているのか」と言うのです。
しかし、同じ党の議員が大臣だとその党の地方議員はその省庁には何も言えないのでしょうか?
地方議員としての主張と政府の立場とが異なることなどいくらでもあります。
地方自治の本旨とはそういうものではないでしょうか?
今回の誤報も、まさか故意にやったのでは・・・ないとは信じておりますが・・・・・

内部被ばくの割合とは

現在なお、福島第一原発の1号炉も2号炉も3号炉も核燃料棒の3分の1程度が水面から露出しています。つまり放射性物質の放出は残念ながら続いています。
そのうえで、今後の被ばく状況を見通すとなると、やはりチェルノブイリでの知見は無視できません。
当時のオーストリア政府報告によると、空中、飲料水、食物からの被ばくは、単純に3分の1ずつではなく、飲料水からの被ばくを1とすると空中からは20、食物からは80であり、やはり食べ物からの被ばくが最も高いとされています。
では、チェルノブイリのケースでセシウム検出量が多かったものは何かと言うと、乳製品、ベリー類、キノコ、ハーブなどだったそうです。
ただ、この結果で誤解を招きやすい点は、セシウム検出量が多かったとしても体内に取り込む量が多いとは限らないという事実です。
これは「コメ」と「ハーブ類」を比較すれば単純明快で、大量に摂取する主食とわずかばかり使用するハーブとではどちらが体内にとりこむセシウムが多いかという問題に帰着します。
その意味では、千葉県産「コメ」が安全宣言を出せて本当にホッとしました。
また、チェルノブイリのケースから、「乳製品にセシウム検出量が多い」と言っても、全乳を脂肪と脱脂乳に分ければ、その検出割合は20%と80%です。
たとえば、脂肪から作られるバターを考えると、全乳を100とするとそのうちバターではわずか1.2程度になってしまいます。
そのほかにもチェルノブイリのケースでは、ヨーロッパ各国とも放射能規制は「外国産には厳しく、国内産には甘い」という傾向がありましたし、「汚染レベルの高い地域ほど規制が甘く、汚染レベルの低い地域ほど規制が強い」といった傾向もあり、なかなか一筋縄ではいきません。
こうした内部被ばくは、個人ではなかなか防ぎきれるものではなく、政府はどれだけ情報公開しても公開しすぎることはありません。
千葉県も今後とも県産品の放射能測定や規制を徹底して、安全な食品流通に万全を期してまいりたいと思います。