千葉県は、全国に先駆けてコメの放射能汚染調査を実施しました。
8月4日から25日に予備調査、8月11日から31日までに順次全県にわたる調査を実施し、すべての千葉県産コメの安全宣言を行うことができしました。まずはホッとしたところです。
その一方で学校給食の放射能を調べてほしいという声があります。もっともなことだと思います。
ただ、これには大変難しい現実が立ちはだかっています。
食品中のセシウムを測定するにはゲルマニウム半導体検出器が必要です。
週刊東洋経済9月10日号の特集記事によると、この検出機は初期設定に1週間かかり、室温にも細心の注意が必要で、検出する検体を容器に詰めるのにも細かく裁断して隙間なく詰めるなど大変な作業だそうです。
しかもこの機械は国内に200台程度しかありません。検査機関として依頼できるのは100台程度のようです。
したがって、いまこの検出器を持っている検査機関はフル稼働だそうです。
そこで仮に、給食について調べるとなると、簡易式のシンチレーションカウンターなどを使用することになりますが、これは周囲のちりやほこりを一緒に計測してしまうために、同じ検体でも計測する地理的場所によって数値が違ってしまうというのです。
これではうまく検出できなかったり、高く検出されてしまったりと余計な混乱を招く危険性があります。
サイゼリアの社長インタビューでは「各社は口をそろえて「全頭・全量検査」という。しかし、それをどう実施するのか」と疑問を投げかけています。
外食産業など食品を扱う業者も検査をしてもらおうと必死ですし、その一方で24時間365日計測し続けてもせいぜい90万検体しか調べられないという現実があります。
今後長く食の安全が問われることを思えば、ともかくゲルマニウム半導体検出器を増やすこと、そのうえで検査のルールを構築すること、この2点に一刻も早く取り組んでほしいと思います。
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