日別アーカイブ: 2011年9月12日

もう一つの『先送り』

3月11日の未曾有の大震災とそれに伴う巨大津波、放射性物質の大量拡散は、期せずして菅総理の延命要因となってしまいました。
総理退陣どころではないという国民の意識はその通りだと思います。
しかし、その一方で衆議院だけでも300人からいる民主党議員が何をしていたのかさっぱりわかりません。
具体例をあげましょう。
たとえば年金問題です。年金は地震があろうとなかろうと、改正すべきところがあれば改正しなければならない重大課題です。
民主党は2003年の衆議院選の時から厚生年金と国民年金の一元化を主張してきました。また、税を財源として7万円の「最低保障年金」の創設を訴えてきました。
もうすでに8年以上たち、政権を取ってから、震災の前からも何にも手をつけていません。これは一体どういうことでしょうか?
民主党が「ベストの案だ」と言っていた年金制度について、2010年2月の国会で「原案を示す」と答弁したのは、鳩山内閣時代の菅財務相です。
その菅さんが総理になり、まったく何もしないうちに1年以上たってしまい、その後の3月11日に大震災が起こったのです。
おそらく多分、野田さんもこのまま最後まで頬被りすることと思います。
そうなれば、いくら民主党とは言え、まさか、次のマニフェストにも「すべての年金を一元化し、最低保障年金を創設します」と主張するほど恥知らずではないでしょう。
民主党政権は、菅さんの総理延命だけではなく、本当は実現できないマニフェストについても、その理由として今回の大震災を利用しているように見えてならないのです。

「ねじれ」は永久(とわ)に

「ねじれているのは与野党だけではない。民主党内こそねじれている」
木更津を訪れた太田昭宏前公明党代表は小気味良く喝破しました。
私も全くその通りだと思います。
私が、真っ先に思い出したのは琉球新報が本年2月20日報じた『民主党衆議院議員16人会派離脱』問題です。
これなどわずか7か月前の出来事です。
やはり、基地問題はじめ国の外交に関する問題や国旗・国歌と言う国の根幹にかかわる問題では、民主党はどうしてもまとまることができません。
ですから、一国の総理大臣であるにもかかわらず、左の人にも右の人にも納得してもらえる話をしなければならず、その結果嘘をついてしまったというのが鳩山さんでした。
進歩党から社会党まで、これだけ正反対の考え方の人たちが集まっているのですから、挙党態勢は片目をつむって綱渡りをしているようなものです。
今回の野田新代表選出過程のわかりにくさも民主党内の「ねじれ」に起因していると思います。
せっかく三党合意が成立したのですから、一刻も早く懸案事項を解決して欲しいものです。
第3次補正予算、来年度予算などが民主党内の、良く言えば「ねじれ」、率直に言えば「内紛」によって、国民を巻き込むことだけはやめてもらいたいと切に願います。
震災から半年がたって、未だに本格的復旧復興予算が執行されていないという事実を真面目に反省して欲しいと思います。