放射線障害は30年後

児玉龍彦教授の『内部被曝の真実』(幻冬舎新書)を読みました。
同教授の怒りの本質は、「一片の通達で責任逃れをしている国のやり方」「本来やるべきことをやらずに子どもや住民を被ばくの危険にさらしている国の不作為」なのだと思いました。
同教授は、内部被曝に関しては「一番必死に研究しております」と第一人者の自負を述べられています。
そして、『ヨウ素131』は甲状腺に集まり、『セシウム』は尿管上皮や膀胱に集まるとしています。(ホールボディカウンターで全身をスキャンしても無意味だとも・・・)
チェルノブイリの事故の際に、子どもの甲状腺がんが問題になりましたが、笹川財団の資金によって5万人ほど調べたものの、WHOが放射性ヨウ素と甲状腺がんの因果関係を認知したのは20年たってからでした。
半減期が短いために放射性ヨウ素はすでに無くなってしまっているにもかかわらず、その被害は20年から30年後に出るというのですから、長期的な腰を据えた健康診査体制が必要です。
一方、膀胱がんとの因果関係が疑われるセシウムについては因果関係が明らかになるのはさらに長期化するだろうと言います。
つまり、現時点では証明できない。しかし、証明できないから因果関係はないとも言えません。
すると、被曝による危険性を認識するのは被曝した本人しかいないということになります。
そうであれば、少なくとも被曝した本人は自分の被曝線量を知る権利があります。
放射性物質を拡散させてしまった国や東電は、被曝線量測定に責任を負うべきと思います。
この世にセシウムという物質が現れてからわずか66年しかたっていません。この放射性物質が人体にどういう影響を及ぼすのか研究は始まったばかりだということのようです。


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