日別アーカイブ: 2011年9月15日

国政、二つの課題

第一は『非効率』です。
民主主義とは、全体主義などの最悪な政治体制を避けるために、効率性を放棄した政治体制と言えます。
わが国は、衆参両院が存立する二院制の政治体制です。
私は、かねてより日本のように一つの方向へ一気に過熱するお国柄であれば、一院制よりも二院制が望ましいと主張してきました。一方の院の判断を、もう一方の院が「本当にそれで良いのか?」と引き止める役割です。
つまり、実は衆参の『ねじれ』を想定している制度なのではなく、そもそも『ねじれ』を望ましいとしている制度なのです。
一方、1993年に細川連立政権が誕生して以降、与党は連立が当たり前のようになっています。
もしかすると、それより10年以上前の1980年ごろの保革伯仲時代から一つの党では政治が動かせなくなってきていたかもしれません。
衆参の『ねじれ』だけではなく、それぞれの院のなかにも『ねじれ』ないし、それに近いハードルが存在するように見えます。
したがって、現在の国政はかつてないほど非効率化していると言わざるをえません。
もう一つは『大きな政府』です。
平成20年度当初予算では、歳入に占める公債金の割合は30.5%でした。それが21年度では37.6%、22年度では48.0%です。この異常さをどうみればよいのでしょうか。
それでも21年度では、租税及び印紙収入は公債金を12兆8000億円上回っていました。
これが22年度で逆転します。公債金の方が6兆9000億円も多くなっているのです。
今後、財政学の試験を受ける学生たちは、平成22年度は重大な年として暗記を強いられるでしょう。
そのうえに、東日本大震災とそれに伴う原子力発電所の放射能問題が起こったのです。
『大きな政府』はそれ自体が非効率です。
野田新政権のもとで、この二つの大きな課題の克服へ動き出すのでしょうか?
私にはどうしても先行きに明るさが見い出せません。