現代社会において、民主主義という体制が最も望ましい仕組みであることは多くの人の支持を得ていることと思います。
しかし、そこに衆愚政治への危険性もあるということも社会全体の共通認識だと思います。
社会全体が少ない負担で多くのサービスを受けたいと思えば、財政が赤字になりがちになるのは自明のことです。
欧州諸国がユーロ加盟の条件として、一定以上の赤字財政を認めないとしたのもよく理解できますし、そういう他国との決め事がないとなかなか赤字財政の解消は進みません。
国家が破たんした時に、IMF主導による財政の立て直しが行われますが、このことも「自らの赤字財政を自らの決断で解消していくということは不可能」という裏付けなのかもしれません。
では、どうしたら財政の健全化を図れるかといえば、唯一考えられるのは表題の『特定財源』の考え方です。ある種の財源は赤字財政の解消に使うということを決めてしまうわけです。
昭和29年に揮発油税が道路特定財源になってから、自動車関連諸税は平成21年までの63年間にわたって道路建設と維持管理に機能し続けました。これが使命を果たし終えたのかどうかはさておき、この手法がなければこれほどの道路網整備はなかったでしょう。
この夏の3党合意による「消費税はすべて福祉に使う」という目的税化の考え方も同一の発想です。
そうしてみると、民主主義社会において財政赤字の解消を財政という立場から考えた時に、この考え方以外に解決策はどうしても思いつかないのです。
問題は、揮発油税と道路特定財源のような一定の結びつきのある財源があるのかどうか。さらに、道路をつくるといったインフラ整備ではないため、経済成長への寄与が限定的であることが予想されることです。
そこで、少なくともプライマリーバランスを黒字にするまでという期限を区切ることと、そこに至る計画が誰の目からも明確であることが求められます。
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