日別アーカイブ: 2012年11月2日

ハリケーン「サンディ」から学ぶもの

日本で最も時間当たり雨量が多かったのは1982年の長崎県長与町です。1時間当たり187ミリというすさまじい雨が降りました。
それから何年も経ってから長崎の友人を訪ねた時に、その時の長崎市内の様子を昨日のことのように話してくれました。
長崎はまさに坂の町、すり鉢状になった地形ですから町が水没したとのことでした。
友人と話していて面白かったのは、「たまに台風が東京方面へ向かっていくと『ざまを見ろ』という気になる」と言っていたことです。まあその人間的な気分は、なんとなくわかるような気がしないでもありません。
さて、人は雨が降ると濡れないように行動します。たとえば「雨宿り」です。
数年前、同窓生たちと新宿で居酒屋へ繰り出したことがありました。新宿中央公園から西新宿駅方向へ歩き出すやいなや、ものすごい夕立に見舞われました。
大勢の通行人たちが地下街へ向かいました。新宿は地下街の発達した街です。新宿と言えば地下街という刷り込みがあるのかもしれません。
しかし、豪雨の時に絶対に避けなければならない避難場所が地下街です。水は低い方へ流れるという誰でも知っている当たり前のことが忘れられているのです。
「自分は大丈夫」「みんながいるから大丈夫」というまるで根拠のない思い込みもあるでしょう。
過去に、地下鉄が水没した事例は稀ではありません。今回のハリケーン「サンディ」でもニューヨークの地下鉄が水没しました。
地下鉄が水没すると電気系統がダメになりますので停電に襲われます。一番低い線路から水没していくはずですが、線路の近くに電気が走っている形態も地下鉄では普通のことです。ニューヨークの地下鉄構内がどういう状況だったか知りたいものです。
新宿であればビルには事欠きません。高層ビルの街でもありますから。
激しい夕立の中で、私たちが地下にある居酒屋を避けたのは至極当然のことでした。