月別アーカイブ: 3月 2012

「基金事業」真っ盛り

私のところに、2012年3月19日発行の『ちばNPO情報マガジン』249号が届きました。
これは、千葉県環境生活部県民交流・文化課が県民の皆さんに送信しているメールマガジンです。
その冒頭にこう書かれていました。
『県では国の「新しい公共支援事業交付金」をもとに基金を造成し、平成23年度から24年度にかけて、県内NPO等の自立的な活動を間接的に後押しするため、「県民活動促進事業」を実施しています。』
がんばっているなと思いますし、国からのお金を活用して良い事業をやっているなとも思います。決して、ここに書かれている事業内容を問題視しているのではありません。
しかし、毎回の議会のたびに、『何々基金を造成』、『何々基金を活用』、『何々基金を廃止』と山また山のような基金、基金、基金を見せつけられるとこれはちょっと違うだろうと言わざるを得ません。
補助金行政が批判されて久しい中にあって、基金行政ならいいだろうと勘違いしている節が見えるのです。
基金行政は、単なる補助金のまとめ渡しにすぎません。単に1年限りではなく2年分ないしは3年分出しましたというにすぎず、その使途は都道府県や市町村に自由裁量があるわけではありません。
結局、使い方は国にがんじがらめにされていて、その意味では補助金と全く変わらないのです。
そのうえ実は補助金よりも悪い点もあります。
それは金利がかさむという点です。
補助金のように1年限りなら1年分の利子がつくだけですが、たとえば3年分まとめて渡すとなると翌年と翌々年の金額はただただ使わずに持っているだけなのに支払利息が発生します。受取利息との関係は一体どうなっているのか疑問です。
仮にもマイナスなら、それは当然のことながら国民の税金で払うわけです。(多分マイナスでしょう。市場経済ですから)
基金の数がどれほどあるか、そしてその利子の額がどれほどになるのか想像すらしたくない金額ですが、はたしてそういうことまで考えて基金行政を行っているのでしょうか?

現代は『借』金本位制時代

かつて『金本位制』という時代がありました。アメリカはドルと金(ゴールド)をいつでも交換すると保証してきました。
ところが、1971年、当時のニクソン大統領がこの金本位制をやめると宣言しました。いわゆるニクソン・ショックです。
私はそのころ中学2年生です。何か大変なことが起こったということは認識していましたが、まあ本当のところは何がどう大変なのかよくわかってはいませんでした。
いずれにせよ金本位制が消滅し、ドルに金の裏付けが無くなったわけですが、その後の世界にどういう大変なことが起こったのか未だにわかりません。今でも特に何の問題なく、ドルが貿易などの決済にちゃんと使われています。
さて現代社会は、では『何』本位制なのでしょうか?
今、わが国は約1000兆円の借金があります。大雑把に税収が50兆円とすると税収20年分ということになります。
年収400万円の人がいて、その人が8000万円の借金をしていたら、経済的な信用度は非常に疑わしいと言わざるを得ません。
ところが、近代国家においてはこうした借金をするごとに通貨を発行します。つまり通貨と公的部門の借金はまさにリンクしているのです。
このような、あたかも『借金』が通貨の裏付けかのような有様は『借金本位制』に他なりません。
通貨の裏付けが『金(ゴールド)』であった時代から、通貨の裏付けが『無』になり、今は『借金』というわけです。それで今のところはわが国においては何の問題も起こっていないように見えます。
結局のところ国に信用さえあれば、通貨とリンクするものが何であれOKということに他ならないようです。ただし、ここで言う国家とは民主党政権のことではないことだけは自明です。

加速するコンパクトシティ化

昨日、放射線測定調査の私たちと別れて『東日本大震災千葉県調査検討専門委員会』の傍聴へ向かう塚定議員がポツリと言いました。
「液状化の工法が見つからないんですよね。300万円以上かかるんですから」
この言葉を聞いたとき、やはり時代は間違いなくコンパクトシティ化に向かうしかないと思いました。
液状化対策の厄介なところは、例えば一軒のお宅がお金をかけて対策を講じた場合、近隣の家屋が液状化被害を受けかねないところにあります。つまり、今の工法では根本的に街ぐるみで対策を講じなければなりません。
街ぐるみとなれば、当然経済状態も生き方や考え方も異なる人の集合体ですから、全員でお金を出して液状化対策をやろうと簡単に決まるものではありません。
一方、コンパクトシティの発想とは、市街地の規模をコンパクトにして医療機関や商業施設をまとめることによって生活しやすい街づくりをしようという考え方です。
多種多様な考えを一本化するとなれば、どうしても拡散した街づくりでは無理があります。
ましてや高齢社会になり、地方の過疎化が危機的状況になっている中にあっては、施設や社会機能の中心市街地への集積だけではなく、その先には人をも中心市街地へ集まってもらう仕組みが必要となるでしょう。
そんなことを考えている矢先に、沼津市の自治会が津波被害予防のために高台へ集団移転する合意をしたというニュースが流れました。
沼津の自治会の移転とは理由は異なりますが、想定される街の将来像は、医療や福祉施設が整い、利便性の高い商業機能があるなど、安全で暮らしやすい場所へ人が集まって住むというコンパクトシティ化のような気がするのです。

調べたかった放射線量

かねてより汚水処理場、浄水場の汚泥やクリーンセンターの焼却灰の放射線量を測定したいと思っていました。
3月16日に議会が終わりましたので、さっそく『江戸川左岸流域下水道第二終末処理場』から『野菊の里浄水場』へかけての江戸川沿い、そして市川市のクりーンセンターを調査させていただきました。
最初の『第二終末処理場』には、衆議院の富田茂之千葉県本部代表にも駆けつけてもらいましたが、千葉テレビのスタッフも同行取材となりました。私は残念ながら見ることができませんでしたが、夜6時のニュースで放映されたそうです。
この三つの施設以外には、妙典少年野球場、三番瀬の塩浜1丁目護岸・2丁目護岸、行徳橋橋脚下、里見公園を測定しましたが、水辺はそれほど高くなく、やはり土の上や草地の値が高い傾向があります。
さて、これまで汚泥や焼却灰そのものを測定することはしていませんでしたが、0.4から0.7マイクロシーベルト(毎時)という値です。
いずれも数メートル離れるとそのものの影響はなさそうです。また、野菊の里浄水場では江戸川からの取水口でも測定しましたが、取水口脇の土の上では0.3以上の値が出るものの、取水口自体はコンクリート製ですので高い値ではなく、まあひと安心でした。
汚泥にせよ焼却灰にせよ、どこへもって行けばよいのかの結論が出ておりません。
テレビやラジオのキャスターの発言を聴いていると、処分場をどうすればよいのかという視点がまるっきり抜け落ちています。
汚水処理場では毎日150トン、浄水場でも毎日10トンの汚泥が生じますので、どの自治体においても遅くとも1年2年のうちに処分場の確保がどうにもならない状態になると思われます。
今の段階から本当に真剣に確保に当たらなければ・・・と危機感が募るばかりです。

後期高齢者医療制度の行く末

3月15日の日経新聞は『「後期高齢者」廃止見送り』と報じました。
『厚生労働省は14日、75歳以上の後期高齢者医療制度について、通常国会への廃止法案の提出を見送る方向で調整に入った』というのです。
ご存知のように、民主党は2009年7月27日の鳩山マニフェストで『後期高齢者医療制度は廃止し、国民皆保険を守ります』としていました。
そして、約1年後の2010年6月17日の菅マニフェストでは、まず『国民皆保険を守ります』の部分が削除され、『後期高齢者医療制度は廃止し、2013年度から新しい高齢者医療制度をスタートさせます』と打ち出しました。
日経新聞の記事によれば、『民主党は2013年度からの新制度移行を政権公約にしているが、実現は一段と難しくなりそうだ』と分析しています。
また一つ、民主党マニフェストの『嘘』が明らかになり、実現不可能項目が増えることになるのでしょう。
実はこの記事もあまり大きな扱いではありません。
もはや民主党マニフェストのいい加減さにはニュースバリューがないということなのでしょうか。