日別アーカイブ: 2012年3月8日

ようやく4号機、早くも4号機

3月8日の日経新聞社会面に『燃料搬出へ カバー建設』『福島第1原発4号機 来年末メド 取り出し着手』という囲み記事がありました。
「ようやく4号機」とみるべきなのか、「早くも4号機」とみるべきなのか、素人の私には判断ができないでいます。
いずれにしても福島第一原発の事故は、これまであまり知られていなかった事柄があまりにも多かったことに気づかされます。
それは「知らされていなかった」ことが『主』だと思いますが、それもさることがながら、『従』ではあるものの私たちが「知ろうとしなかった」側面もあるのでは、という反省をも突き付けています。
この記事にあるような手順で、クレーンが付いたカバーを製造して、4号機の核燃料が取り出されます。
すると、1号機や3号機といったそのほかの原発からも基本的に同じ手順で取り出すことができればいいのですが、それがどれほど困難に満ちていることかが浮き彫りになります。
いわゆる専門家のみが気づいていたことが、私たち素人の目にも明らかになっていきます。
ことこの段階に至って「知ろうとしない」ことはもはや許されません。現実から目をそむけてはならないというのが原発事故の教訓なのだと思います。
ともかくも4号機の核燃料の取り出しが成功することを、電源喪失という事態が二度と起こらないことを、そして福島原発に再び津波が押し寄せることのないことを祈るばかりです。

話題にならないTPP

このところ新聞紙上にほとんどTPPのニュースがありません。
毎日のように新聞、テレビでとりあげられていた時ですら、なかなか判断基準を見つけにくかった問題です。マスメディアで取り上げられなくなれば、国民の側にほとんど知識がないままに事態だけは進んでいくことになります。
代表的な論点として、たとえば「コメは大丈夫なのか?」というものがあります。
一俵あたりのコメの基準価格は1万4000円ですが、輸入米はいったい幾ら位なのでしょうか?
人によって、2000円~3000円と言う人もいますし、8000円~9000円と言う人もいます。
その差があまりにもありすぎます。
そもそも輸入米は円レートに大きく左右されますが、それぞれ1ドル何円と言う想定なのかも不明です。
そのうえで、「カリフォルニアには水がないので、それほど輸出はできない」「日本米はおいしいから心配ない」というTPP推進派の意見と「そもそも日本では何十ヘクタールと言う大規模農家がいないし、農地集約も進んでいない。競争できるはずがない」「カリフォルニア以外の州には水が豊富なところがあるではないか」という意見対立があります。
どちらがどういう条件の時に正しいのかが分かりません。
ただ少なくともいえることは、いずれにせよTPPを推進すれば、輸入米は増えます。必ず値崩れは起こるでしょう。
そうでなくとも工業製品以上に農産物はコストダウンが難しいでしょうから、為替変動リスクは税金で補てんすることになるでしょう。
そうした際に、どのくらいの税金が使われるのか?ということを知りたいのです。
また、今後ますますコメの消費量は減少するでしょう。すると小麦消費量が増えるわけですから、そちらの輸入コストがどうなるのか?と言うことを知りたいのです。
知りたいことばかりなのに、もうすでに終わってしまったかのようにTPPが進んでいくかのようです。
日本と言う国は興味のスピードが速すぎる気がするのです。