月別アーカイブ: 8月 2011

ハブはハブでも日本型ハブを

成田を羽田をハブ空港にしようという発言が活発です。
その際、必ず出される事例がシンガポールであり仁川です。
私は二重の意味で間違っていると思っています。
一番恐れるのは、「遅れてきた青年」ならぬ「遅れてきた政策」で、もはや時代遅れなのに止められなくなることです。
かつて私は「ふじいの独り言」のなかで『コンコルドの誤謬』について書いたことがあります。
動き出してしまったプロジェクトや政策が、多方面に与える影響の大きさから失敗だとわかってからも止められなくなることです。
「もんじゅ」も典型のような気がします。「もんじゅさながらコンコルド」というと言いすぎでしょうか?
いずれにせよ、打つ手が一周遅れなのに、そのうえコンコルドの誤謬をやってしまっては勝てるはずがありません。
では、今なぜハブ空港なのでしょうか?
その理由がわかりません。
LCCと言われる安価な航空会社が安価に航空機を飛ばしている時代なのです。(安価だからと言って規模が小さいとは限りません。念のため)
乗客からすれば、誰が考えてもハブではなく直行便が楽に決まっています。
コストがどんどん下がっていけばハブなど飛ばされてしまうはずなのです。
シンガポールや仁川はそうなる可能性が高いと思います。したがって、こうした事例はモデルになりません。
第二に、これまでは羽田も成田も便数が限られていましたので、どうしても大きな機種で勝負するという面がありました。しかし、これからは違います。
機体も大きさではなく最適なサイズへと変わっていかざるをえません。
成田は、国内と海外を結ぶハブへと動き出すべきではないでしょうか?
これからが本当の意味での航空戦争のスタートだと思います。
新幹線のストロー効果という負の側面が今後明確になっていくことを考え合わせれば、いよいよ空の面白い時代に入った気がします。
そのときに日本人にぜひ頑張ってほしいのですが、外国人にも同一チャンスを与えるのが自由主義経済の本筋だと思います。

広島型原爆 X 個分とは?

8月13日の読売新聞に『放射性物質の量 広島型原爆20個以上』という記事がありました。
児玉龍彦東京大学アイソトープ総合センター長が原子炉の熱量から広島型原爆の20~30個分と算定したという記事です。
この記事をどう評価すればよいのか?実はよくわかりません。
広島においては、わずか1Kgのウラン235が核分裂したと推定されています。にもかかわらず、爆心地から500mでは死亡率90%以上、500mから1Kmでは60~70%の人が即死し、約14万人が亡くなりました。
爆心地における地表温度は3000~6000度に達し、屋根瓦は溶け木造家屋は自然発火しました。(ウィキペディアによる)
こうしたものすごい爆弾の20~30個分というのは想像を絶するものです。
一方、東大病院放射線科の中川恵一准教授(かつて私の時局講演会においでいただいたこともある立派な先生です)の『放射線のひみつ』(朝日出版社)には、チェルノブイリ原発事故では広島型原爆400個分の放射性物質が放出されたと書かれています。
この事故では、作業員53万人の平均被ばく線量117ミリシーベルト、周辺避難民11万5千人は31ミリシーベルト、ベラルーシ、ロシア、ウクライナの住民640万人は9ミリシーベルト、ヨーロッパでは0.3ミリシーベルトだったという2008年の国連科学委員会の報告が紹介されています。(すべて全身被ばく=実効線量)
広島原爆と言えばやはりその悲惨さがすぐに思い浮かびます。それとの比較記事を載せるのですから、当然「福島の事故は大変なんだ」と言いたいのでしょう。
そうであれば、記事では単純に対比できないものを対比したのですから「何をどう恐れればよいのか?」をぜひ示してもらいたかったと思います。読者が一番知りたいのはそこなのですから。

簡易な放射能除染法

武田邦彦氏によれば人体がうける放射線量は、空中放射線量の3倍と見るべきだと言います。
その理由は、体内に「飲み水」からも「食物」からも取り入れてしまうからだと言うのです。
仮に、空中放射線量が毎時0.1マイクロシーベルトであれば、0.1×24時間×365日=年間0.876ミリシーベルトとなります。
文科省が示した学校の校外活動での基準が年間20ミリシーベルトで限りなく1ミリシーベルトに近づけるというものでした。これを十分に下回ります。
ところが、武田氏の言うように3倍見なければならないとなると、0.876×3=2.63ミリシーベルトで1ミリシーベルトは超えてしまいます。
このほど食品安全委員会が発表した生涯の累積線量の限度は『100ミリシーベルト』という答申案でした。
年間0.876ミリシーベルトであれば人生80年としても生涯70ミリシーベルトなのですが、これも「3倍」と言うことになると210ミリシーベルトになってしまいます。
私たちの細胞には修復能力がありますし、そもそも食品委員会自身が「(100ミリシーベルトは)かなり厳しい値」としておりますので、あまり厳密に見なくてもよいのかもしれません。
さて、今朝の読売新聞に日本放射線安全管理学会の放射性物質の除染実験について報じられていました。
それによれば『野菜は水に浸した後念入りに洗う』『汚染された土は砂と石を混ぜ重みをつけた土をかぶせる』『衣類は洗濯』『水はポット型浄水器』とのことです。
内部被ばくを考えると一番気になるのは飲み水です。
松戸市のように表流水を使っている地域では浄水場で放射線を検出することが出来ます。
問題は個人で井戸水を使っているところです。
松戸周辺では問題はないのでしょうが、福島原発に近い所ではやはり調べる必要がありそうです。
そして、この実験結果ではポット型浄水器でも「放射性ヨウ素は70~98%、放射性セシウムは78~93%除去できた」ということですので参考にしたいと思います。

菅内閣支持率と柏市議選

柏市議選は民主党議員の行動様式を明瞭にあぶりだしてくれました。

インターネットのサイトに次のようなニュースが流れました。
「読売新聞は2011年8月5日~7日にかけて電話で世論調査を行った。その結果、菅内閣の支持率は18%という衝撃的な数字となった。(略)今まで最低の支持率だったのは2010年10月の鳩山政権で19%だったため、菅内閣への支持率がいかに低いかが良く分かる。」
もはや私たちは、どんな数字にも驚きませんが、政権やポストにしがみつこうという菅さんの執念には不気味な凄味さえ感じられます。十分に真夏の本格的ホラーの域に達しています。

さて、菅さんや民主党の支持率の急落は当然のように地方議会にも現れます。
8月7日執行の柏市議会議員選挙がまさに打ってつけの事例です。
前回4年前の選挙で民主党は7人の候補者を立て5人当選させています。7人の合計得票は17511票という大変な勢いでした。
ところが今回は、7人のうち民主党候補はたった1人となってしまいました。
残りの6人のうち3人は出馬せず、3人は民主党からではなく無所属で立候補したのです。
もともと民主党など最近の候補者は、政策や信念から政党を選ぶというよりも、当選しやすい政党はどこかという観点で党を選ぶ傾向があるように見えます。
したがって、3人が無所属に回ったことはあり得ることではありましたが、それにしても有権者側からみれば理解しがたいものがあります。
結果として、無所属へ回った3人全員が落選しましたのは、やはり候補者の行動様式が有権者から見透かされたのではないかと思います。
3人の得票合計も前回の6732票から3114票へと半減以上の落ち込みでした。
一方、民主票を今回と前回で単純に比較して割りますと0.19です。
この数字は限りなく民主党支持率と同じ数字なのですが、もちろん偶然の一致でしょう。

メガソーラー視察しました

全国最大級の大規模太陽光発電所が川崎市に誕生とのことで、公明党県議団で視察させていただきました。
今回整備されたのは浮島太陽光発電所で、12月に完成する扇島と合わせて全国最大級となります。
これは東日本大震災とは関係なく推進されてきたもので、浮島の場合は川崎市の土地に東京電力が建設しました。
ただここで注意しなければならないのは土地利用の在り方です。
川崎市所有のこの土地は、もともと焼却灰の埋立地であり、そもそも20年間は建物を設置できないことになっています。
したがって、土地を利用できない期間においてメガソーラーとして活用しようというものなのです。
メガソーラーを推進する際の障害の一つはやはり適地探しであることに変わりはありません。