自治体議会政策学会『第13期 自治政策講座』に参加しました。
『自治体の歳入歳出が語るもの-政策・税・起債』という講座でのことです。
某市の女性議員さんから二つの質問が出ました。
「先生のお示しになった決算カードは私の見たものと違っているのですがどういうことでしょうか?」
『決算カード』は決算統計から作成しますのでいろいろなものが作れます。
そのうち総務省仕様が一般的ですが、それに統一する必要はありません。その辺のことをご存じない方は大勢います。むしろ研究者でも知っている人がほとんどいないようです。
私(ふじい)は「日本一の決算カードにしてほしい」と議会で主張し、千葉県は千葉県仕様のものとなっています。本来なら、千葉県仕様の詳しいものを総務省も採用して欲しいくらいなのです。
もう一つの質問は「臨時財政対策債は後で国が地方交付税措置をしてくれるというのですが、それはいつなのでしょうか?」
臨時財政対策債とは、本来なら国が地方自治体に交付税を渡さなければならないのですが、「今はお金がないので自治体さんの方で借金をしておいてください。その代わりその分は後で返しますから」という借金です。
全国の99%以上の自治体が臨時財政対策債を発行しています。
それを国が「後で地方交付税措置」をするためには、当然、その分だけ地方交付税を増やさなければなりません。
しかし、全国どこの議員であれ首長であれ自治体職員であれ、地方交付税をそれだけ増やせると思っている人は一人もいないでしょう。つまり、後で返せるはずがないのです。
「後で返しますから借金をしておいてください」というのは、まさに『オレオレ詐欺』そのものなのです。
そして、オレオレ詐欺に引っ掛かる人は同じ手口に何度も引っかかるケースがあるように、自治体も同じ手口で何度も騙されているという構図です。
この女性議員も『いつか返してもらえる』と思っているとすれば、まさにだまされていることになります。
臨時財政対策債も市債ですから償還期間があります。返す返さないがいずれ明確になります。その時の政府の言い訳も容易に想像できます。
もっとも、それでも「自分はだまされていた」と思わない議員も結構いるのかもしれません。
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