月別アーカイブ: 11月 2010

『千葉県』と『松戸市』におけるブレーンの待遇比較(第430回)

11月1日の決算審査特別委員会で知事が採用した『政策アドバイザー』 の勤務と内容が取り上げられた。
私は傍聴していなかったので千葉日報の本日付の記事から引用させていただく。
「政策企画課の報告によると、政策アドバイザー(09年5月委嘱)は2人。このうち国との調整を担当するアドバイザーは県庁に111日、出張で6日(県内2日と都内4日)の計117日出勤し報酬額は351万円。また、情報発信などを担当するもう1人のアドバイザーは県庁に188日出勤し、報酬は470万円だった。」
政策アドバイザーの報酬と実績をどう判断すればよいのだろう。
政策企画課に尋ねても「円滑な政策の推進を図ることができた」ということであり、勤務態度も勤務内容も分からない。
そもそも副知事や教育委員のような同意人事でもない。
地方自治にとっても民主主義にとってもこれらのブレーンを雇用することは、やはり現行制度では問題があると言わざるを得ない。
したがって、その待遇は慎重の上にも慎重に決めなければならないし、正当な勤務評価が下せるよう県民に仕事の実績を限りなく明らかにすべきである。
それができないとなれば、政策アドバイザーを雇用してはならないと思う。
一方、松戸市においても『政策担当官』 というさらにわけのわからない非常勤職員が市長スタッフとして採用された。
しかもその報酬は千葉県とは比較にならない月額80万円という高額である。
この職員が何日間で何を行ったのか、その成果を市民の前につまびらかにするのは当然のことである。
それにしても、月額80万円となればどれほどの成果を松戸市にもたらしてくれたのかと期待に胸が膨らむ。
早く教えていただきたいものだ。
9月議会で、「どういう理由で80万円も出してそのようなスタッフを雇用したのか?」と問われた本郷谷市長は次のように答弁した。
「これからの自治体競争を勝ち抜くには自らの自治体のおかれている課題を正しく認識し、的確に対応していかねばならない(趣意)」
この答弁の中の『自らの自治体のおかれている課題を正しく認識し』 が重要である。
なぜなら、前の質問(公明党・織原議員)によって、この非常勤スタッフが松戸市の状況をいかに理解していないかが暴露されてしまったからである。
松戸市では昔から実施している学区自由化を、市川市では行っていなかったことから松戸市でも行っていないだろうという思い込みで本郷谷マニフェストに盛り込んでしまったのだ。
調べもしないで思い込みで書いた項目はまだまだあるのだろう。
そうした誤りに本郷谷氏ご本人も気付かないばかりか、「マニフェストの実行が私の使命だ」と言い切るのだから、コンビとしては息が合っているとも言える。
自らの自治体の置かれている課題を正しく認識していない市長が、同じく認識していない人を月額80万円で雇用することは一歩間違えば松戸市の私物化である。
勤務実績をあきらかにすることによって「私物化ではない」と言い切って欲しいものである。

議員年金問題

今朝の日経新聞によると、2000年以降に市町村合併した市の議員数が60%に減ったのだという。
2009年末までに合併した市が422あり、議員数はこれにより6万2500人から3万6900人へと減ったという。
これでは議員年金が破たんするのも必然である。
議員には退職金がないかわりに共済年金があった。
都道府県議会議員共済会、市議会議員共済会、町村議会議員共済会がそれぞれ運営している。
10月29日に、これら3共済会の年金に対する意見が私のところに届いた。
それによれば、都道府県議会共済会は「給付水準10%削減、掛金0.5%引上げで存続すべき」という意見。
町村議会議員共済会は「給付水準5%削減、掛金0.5%ないし2%引き上げで存続すべき」。
市議会議員共済会は「廃止すべき」という意見だ。
そして、「廃止」の場合は、これまでの掛金の64%が返ってくるらしいのだが、これは国会議員のケース同様の80%にすべきという意見である。
公費を多く入れていた国会議員が80%で、公費が少なかったほうが64%というのはおかしい。せめて同等にという主張だ。
年金を支える側がこれほど減ってしまっては「廃止」以外に結論の出しようがないだろう。
問題は、すでに受給している人たちの生活をどう考えるかである。
もしかしたら、国を訴えるということが全国レベルで巻き起こるかもしれない。
この場合、国が負ける可能性は十分ある。
国が負けた場合、今度は他の年金受給権にも大きな影響を与えるだろう。
フランスでは年金問題に端を発し大規模なデモが起こったが、決して遠い他国の話と捉えてはならないのである。
今、求められているのはともかく早く結論を出すことだ。
結論が延びれば延びるほど解決が難しくなる。
いつもの民主党のやり方のように問題の先送りは絶対にあってはならない。