日別アーカイブ: 2010年11月23日

民主党 もう一つの挫折(第447回)

朝刊各紙は、総務省の作業部会が「光の道」構想をめぐり、NTTの光回線部門を別会社にしない報告案をまとめたことを報じた。
原口前総務相の方針が覆され、また一つ民主党の挫折が増えたことになる。
民主党が公約や方針として打ち出した事項がここまで頓挫し続けると、さすがに政権の体をなしていないと言わざるを得ない。
今回の総務省作業部会の報告案で一番問題なのは、光ブロードバンドの普及をいつまでにどこまで実現するかという期限が示されていない点、利用料金をどこまで引き下げるかという目標が示されていない点である。
これらはNTTというその市場の中で一番力の強い企業の努力に任されているのだ。
ルールは一番強い者がつくるというのであれば、政治の役割は一体何なのかと思う。
この報告案には、国民の視点、利用者側の視点が欠落している。
この作業部会を利用して勝利をおさめたものは一体誰だったのか?
少なくとも国民ではない。
またしても民主党は国民の利益を守れなかったのである。
それでも民主党は政権党なのである。
民主党の挫折は民主党内にとどまらず国民生活に直結するという厳しい現実を直視してほしいのだ。