月別アーカイブ: 3月 2013

千葉西総合病院本館を見学

社会医療法人木下会『千葉西総合病院』の新本館を見学させていただきました。
新しい病院ほどつくりが工夫されていることは当然として、広々としたスペースは気持ちがいいですね。
病床と病床の間のスペースは、単に広ければ気持ちが良いというだけではなく、狭ければ狭いほど感染症のリスクが高まります。
したがって、ある程度のスペースを取りながら、なおかつ効率的な医療や看護にあたれるような工夫が必要です。
また最上階からヘリポートを見学させていただきました。これからの救急にはヘリの活用が欠かせないことでしょう。
松戸駅前に新東京病院が進出した際、やはり内覧会に出席させていただいたことを思い出しました。あれから約20年も経ってしまいました。その後、鎌ヶ谷総合病院の内覧会を含め、私もいろいろな病院施設を見学させていただきましたが、この千葉西総合病院は特に優れた施設だと思いました。
松戸市の『売り』である医療にますます磨きがかかれば・・・と大いに期待しています。

サイバー攻撃への対処について

今日の朝刊各紙は一斉に韓国でのサイバー攻撃について報じています。日経新聞は社説においても『サイバー攻撃への備えを怠るな』と論じています。
この社説には、『内閣官房情報セキュリティーセンターを中心に、夏までに新しい戦略をつくる。情報セキュリティー対策予算についても大幅な増額を予定している』とされています。
もちろん対処しなければなりませんが、どこまで期待して良いのか私にはよくわかりません。
私は、先の12月議会でサイバー攻撃についての質問をしましたが、そのとき念頭にあったのは、PC通信の宿命ともいうべき『3ウェイ・ハンドシェイク』です。
少しWikipediaによる説明を引用させてもらいますと、PCとPCとの接続を確立するのには、次の3ステップを踏みます。
1、通信の要求者が相手に「SYN」パケットを送信する。
2、「SYN」パケットを受け取った通信相手は、その要求者に接続を許可する「SYN ACK」パケットを送信する。同時に、通信相手は接続を準備するために接続用の情報を記憶する領域を割り当てる。
3、「SYN ACK」パケットを受け取った要求者は、接続開始をあらわす「ACK」パケットを送信し、通信相手との通信を開始する。
これが3ウェイ・ハンドシェイクです。うまいネイミングですね。
さて、問題は『2』の『接続を準備するために接続用の情報を記憶する領域を割り当てる』という部分です。
割り当てられた領域は、本来なら通信をするためのものなのですが、DOS攻撃においては「SYN」パケットを送るだけにして通信を行わないのです。つまり、「SYN」パケットを受けた側は、ただただ記憶領域を浪費させられるのです。
これが1台や2台のPCからならどうってことはありませんが、もし大量のPCから送り付けられればたまったものではありません。
インターネットには、このような事例がいくらでもあって、私はサイバー攻撃対策についてはどうしても楽観的になれないのです。

第三セクター等改革推進債のもたらすもの

ブームというものは、社会の動きに対応している議会にも行政にもあります。
ひところの議会は、全国各地で『美術館建設』が論じられ、その後には全国各地とまでは言いませんが『水族館建設』が論じられました。『公営温泉掘削』が論じられ、公営温泉の『レジオネラ菌問題』も論じられました。
こうしたブームにも、それを論じること自体にも良し悪しはありません。
しかし、取り上げて推進するのであれば、それが市民のためになるのかどうかという評価が必要です。
たとえば、よく話題になる新しい『公会計制度』の導入についても、現行の会計制度では足りない部分を補うという取り上げ方をされるべきであって、現行制度を時代遅れなものという認識で取り上げられてはあまりに乱暴です。
いま非常に気になっているのは『第三セクター等改革推進債』(通称「三セク債」)です。議会では、三セク債を活用して土地開発公社などを解散せよと論じられます。
しかし、何でもかんでも三セク債を使って公社を解散することが市民の利益になるとは限りません。
また、仮に三セク債で公社等を解散することが市民の利益になったとしても、それ以上に利益を得ているのは誰かという視点は必要です。
自治体が、第三セクターの債務保証をしていた場合、その借金は市民県民の借金です。第三セクターの借金を自治体に移し替えても市民県民の利益につながりません。
市民県民の利益になるのは、借金の利払いが下がるときです。そうであれば、わざわざ三セク債を発行せずとも、現在借りている金融機関に金利を下げてもらえば済む話です。
それをあえてしないで、わざわざ三セク債を発行するのは、言うまでもなく、金融機関の利益のために市民県民の税金を使うことに他なりません。このことを了とするという前提があって、はじめて三セク債発行を推進すべきなのです。
私は、三セク債の発行も一つの重要な判断だと思います。それは否定しません。しかし、こうしたことを続けている限り、わが国金融が欧米金融機関との競争に勝つことは将来にわたってありえないと思います。

3日見ぬ間の桜

数人の知人(と言っても皆さんすべて人生の大先輩)との団らんの中で、Iさんがこう切り出しました。
「『三日見ぬ間の桜』って、私は三日見ないうちに桜が咲いていた、と言う意味だと思っていましたが、逆に三日見ないうちに散っていたということを言ったものなんですか」
私は、どうにも気になって帰宅後にことわざ辞典で調べてみました。
すると出典は、江戸時代の俳人、大島蓼太(おおしまりょうた)の句『世の中は三日見ぬ間に桜かな』だそうです。
すると、句意は『三日外出しないでいたら世の中は桜が満開だな』と言うことになりますので、『咲く』方に軍配が上がります。
ところが、辞典には『世の中の移り変わりのはげしくてかなわないことを、桜の花があっという間に散ってしまうことに掛けて言った言葉』とされていて、こちらは『散る』方にポイントが置かれています。
『咲く』と『散る』では180度異なります。だからこそ、合格・不合格を知らせる電文に「サクラサク」「サクラチル」が使われたのでしょう。
このように同じ事象にあっても、捉え方が様々あることに大いに興味をそそられたのでした。
3月16日の千葉日報『地域を照らす太陽の心 未来を照らす千葉の心』に紹介されている匝瑳市の例がありました。
同市は、難しい地名であることを逆手にとって、難読ぶりをアピールすることによって全国から大きな注目を集めたというのです。分かりやすさが求められている時代にあって、匝瑳市は見事な逆転の発想を見せたと言えます。
これからの政治は、つねに財源不足の問題がついて回ります。これまでの発想では解決できない事案が幾つも出てくることでしょう。
今こそ政治は発想の転換が必要なのだと思います。行き詰ったら『3日見ぬ間の桜』を思い出さねばと思ったのでした。

不意に思い出した『事務次官会議その後』

不意に、「そう言えば事務次官会議はその後どうなったのだろう?」と思いました。
民主党政権が発足して、事務次官会議を廃止したところまでは「ほう。思い切ったことをやったな」という気持ちの良さがありました。
それまでは、週2回行われる閣議に出す内容をすべてその前に開かれる事務次官会議で決めていたのだそうです。
この会議は全会一致が条件で、一人でも(すなわち一つの省でも)反対があれば閣議には提出されない決まりだと報じられていました。
そもそも法的な設置根拠がない会議が、閣議に上程する内容を決めているということ自体がおかしな話であり、3権分立を大きく歪めています。したがって、それを廃止すると決めたことについては国民の多数が賛同したのではないかと思います。
ところが、ネットで調べてみると今回の安倍内閣では名称を『次官連絡会議』と変更したうえで復活させたと言います。(Wikipediaによる)
しかも、さらに調べてみると民主党・野田政権時代に『各府省連絡会議』という名称ですでに復活していたのでした。
2011年9月10日5時1分のasahi.com(朝日新聞社)によれば、野田首相が復活させた理由は『官僚を排除した政治主導に霞が関は反発。十分な情報が官邸に集まらなくなった。』としています。
いつの時代においても結局のところ、「情報こそ権力の源」ということなのでした。
古代の日本でも、都と出先機関を結ぶ道、官庁と官庁を結ぶ道は非常に整備され、いかに早く正確に情報を伝達するかに工夫を凝らしていました。やはり情報の集まるところがもっとも正確な判断ができるところなのです。
そうしてみると、真の政治主導を実現するためには、政治判断する側に最も情報が集中する機構こそ考えなければなりません。そして、その在り方が国益、すなわち広く国民に利益が及ぶ形でなければなりません。
当然のことながら、地方分権や道州制の議論についても、最終的な政治判断をする部門にどうやって質の高い広範な情報を集つめうるかという観点の議論が必要不可欠であるということも我々は十分認識しておかねばなりません。