日別アーカイブ: 2013年3月24日

他人の疝気(せんき)を頭痛に病む

『他人の疝気を頭痛に病む』ということわざがあります。疝気とは腹痛などのことで、他人のあれこれを心配して自分が頭痛になってしまうとのことです。
逆説的ですが、議員はこのくらい他人の立場に立つことが大事なのですが、その一方で現実にはそれがなかなか難しいとつくづく思います。
ある席で、代議士が「これから教育委員会のあり方について国会で議論しますので、何か意見などがあれば遠慮なく言ってきてください」と発言しました。このとき同席した地方議員たちの何割かが「では意見をメールで送ろう」と思ったことと思います。
ところが代議士は「ただし3日以内にお願いします」と言うのです。
この瞬間、ほとんどの地方議員は「じゃあだめだ」と思ったのではないかと思いました。
このとき大勢の前ではなく、一対一のときに同じことを言われたらどうでしょう。頑張って意見を出そうと思うのではないでしょうか。また、3日以内ではなく、1週間や10日以内だったら数割の人は意見を出したのではないでしょうか。
人は、ちょっとした心の動きでまるっきり違う行動をとるものです。
さて、かつて自分の頭の中で自分でディベートをしたことがあります。テーマは『教員の人事権はどこにあるべきか』でした。
(頭の中の)Aチームは「現場を知らない都道府県に権限があるのはおかしい」と主張します。
(頭の中の)Bチームは「教育長ですら公募しなければならない市町村があるのに、市町村に任せて教員が確保できるのか。地域によって教育の質の格差が生じてしまう」と主張します。
この二つの立場から派生して、いろいろな意見が飛び交いながら結局結論は出なかったのですが、少なくとも政令市には相当程度権限を下せるだろうという結論は見えました。
このように何かテーマが与えられたら、それを頭の中でディベートしてみるというのは非常に大事です。
代議士の発言を聴きながら、そんなことを思い出していました。このあと実際に何人が意見を出したのか非常に興味があります。代議士に尋ねてみたいものです。