東日本大震災のような災害への対策を考えるためには、言うまでもなく過去を振り返ることが大事です。
その時、医療施設はどのようなことになっていたのか。
その時、福祉施設はどのようなことになっていたのか。
非日常の大きな問題が起こった時に、より一層、制度の不備や人の能力の限界などが表面に出てくるものだと思います。そこから解決すべき課題が見えてくるのでしょう。
たとえば、朝日新聞に連載されている『プロメテウスの罠』の第十三章『病院、奮戦す』には、福島第一原発に近い医療機関でのすさまじいばかりの看護が語られています。
また、時事通信社の『地方行政』2013年3月18日号には『知的障がい者らの避難』ということで、岩手県山田町の「はまなす学園」の奮闘ぶりが取り上げられています。
現場を預かる医師や看護師や施設職員のプロとしての心意気やボランティアや自衛隊員、行政関係者等々の尽力ぶりが紹介されていると心が温まります。
その一方で、紹介されない膨大な数の『失敗』もあったこととと思います。むしろ、そうした失敗にこそ私たちが学ぶべき教訓に満ちているかも知れません。
神戸には『人と防災未来センター』のような情報を収集する拠点があります。東日本大震災においても、やはり同様の情報収集の拠点を設けてもらいたいと思います。
過去を振り返り、精密に災害下における看護、介護、避難を検証することが欠かせません。そのためには、嫌なことであれ、貴重な経験を収集する仕組みをつくらねばならないと思った次第です。
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