月別アーカイブ: 12月 2012

国土地理院との協定を

国土地理院の5万図や地形図はかなり持っています。地図から送電線のデータがなくなると聞けば残念がり、復活したと聞けば喜ぶ単純なファンです。
さて、昨年3月11日の東日本大震災においては、石巻市牡鹿基準点で東南東方向に5.3メートル、上下方向では、1.2メートルの沈下が観測されました。しかも、地震発生後も、東北地方から関東地方にかけて、今なお東向きの地殻変動が継続しており、基準点のある、本県・銚子市でも17センチメートルの移動が確認されています。
私たちは、首都直下地震や、東海・東南海・南海の三連動と言った、まさに地殻の変動、地形の変化・変位を伴う巨大災害を想定して、災害対策を講じなければならなくなりました。
そうであれば、最も地形・地理情報を所有している国土地理院との情報連携を欠かすことはできません。
東日本大震災では、被災状況の把握や復興において、地理情報の重要性があらためて指摘されたところであり、本年3月に、地理空間情報活用推進基本計画が改正されました。
これにより、たとえば千葉県が所管する河川、道路、海岸線に変化が生じた場合に速やかに国土地理院に情報提供する、それをもとに地理院は、電子国土基本図の更新ができるようになります。
一方、国土地理院には、明治中期以降に整備された「旧版 地形図」から、1940年代後半の、米軍による全国の航空写真、さらに、その後の今日まで営々と集積され蓄積された写真やデータがあります。
国土地理院との協定を、千葉県としてぜひ進めていただきたいと思っています。

常磐線の東京駅乗り入れ問題

千葉県の総合計画の中に、「常磐線」の記述がありません。千葉県の鉄道路線図の中には「常磐線」と記載されていますが、それは単なる地図上の説明にすぎませんので、「総合計画に無い」と言った方がいいでしょう。
そこで、12月議会の代表質問では常磐線の東京駅乗り入れ問題を取り上げました。
単純に比較することはできませんが、お隣の茨城県は県を南北に貫く常磐線が公共交通の軸になっていることもあり、県下すべての地方公共団体と、経済、福祉、学術団体ならびに「関東運輸局」、「茨城運輸支局」、「河川・国道事務所」など、87団体による「茨城県公共交通活性化会議」を設置し、毎年度、常磐線に関わる活動を活発に展開しております。
常磐線沿線に住む者の一人として、公共交通問題を考えるたびに、隣県との彼我の差を痛感しております。
常磐線の東京駅乗り入れ問題の本質は、いつごろ乗り入れが実現するのかということではありません。
工事の進捗状況よりも、もっと大事なことは、常磐線の東京駅乗り入れについては、常磐線・宇都宮線・高崎線の3路線が、1本の線路を利用することになるため、すべての列車が東京駅に乗り入れることは、困難だという一点にあります。
つまり、一本でも多い常磐線の東京駅乗り入れを実現するためには、まさに、ここ数年が「天王山」であり、「正念場」なのです。
宇都宮線、高崎線が、新幹線や湘南新宿ラインによって、東京・横浜方面への乗り入れが実現しているなかで、常磐線の乗り入れ問題は本当に立ち遅れています。
今こそ、茨城県はじめ足立区や荒川区と力を合わせて、常磐線の一本でも多い東京駅乗り入れを実現させなければなりません。
「住んで良い町」というのは結局のところ「利便性の高い町」ということになります。首都圏に住むということは「自然豊か」はある程度あきらめねばなりませんので。

福祉避難所は足りている?!

11月29日の「千葉日報」と「毎日新聞」の福祉避難所に関する記事はちょっとびっくりしました。
千葉日報は『県内の「福祉避難所」震災後2倍340か所に』という見出しです。
一方、毎日新聞は『「全然足りない」県内自治体整備進まず』という見出しです。
実は、どちらも正しい報道なのです。
前日の11月28日の千葉県議会の会派代表質問で、私は県内の福祉避難所の整備状況と課題について質しました。
千葉日報はそれを報じてくれたのですが、知事の答弁は千葉日報の報じたとおりです。
「震災後、福祉避難所の指定数は2倍になり、しかも今後も福祉避難所の指定を行う予定の市町も多数ある」という趣旨の答弁でした。
ところが、その一方で避難所を指定している自治体は、20市町村なのです。
県内には、54市町村があるのですから半数以上の自治体に福祉避難所はないということになります。
したがって、『災害時の「福祉避難所」』『全然足りない』と毎日は報じました。
同じ内容の報道ですが、全く違って見える実例です。
報道のされかたはともかくとして、県内すべての市町村に福祉避難所は必要です。居住地と離れた土地鑑も全くないところ避難することになってしまいますから。
そこで、福祉避難場所の指定には乗り越えなければならない課題がいくつもあるので、県として市町村を支援してほしいというのが私の主張です。
阪神淡路大震災は、高齢化した社会が被災した場合にどういうことが起こるかを如実に示しました。
これからも福祉の観点で災害対策を考えていかねばと思っています。