内部被ばくの割合とは

現在なお、福島第一原発の1号炉も2号炉も3号炉も核燃料棒の3分の1程度が水面から露出しています。つまり放射性物質の放出は残念ながら続いています。
そのうえで、今後の被ばく状況を見通すとなると、やはりチェルノブイリでの知見は無視できません。
当時のオーストリア政府報告によると、空中、飲料水、食物からの被ばくは、単純に3分の1ずつではなく、飲料水からの被ばくを1とすると空中からは20、食物からは80であり、やはり食べ物からの被ばくが最も高いとされています。
では、チェルノブイリのケースでセシウム検出量が多かったものは何かと言うと、乳製品、ベリー類、キノコ、ハーブなどだったそうです。
ただ、この結果で誤解を招きやすい点は、セシウム検出量が多かったとしても体内に取り込む量が多いとは限らないという事実です。
これは「コメ」と「ハーブ類」を比較すれば単純明快で、大量に摂取する主食とわずかばかり使用するハーブとではどちらが体内にとりこむセシウムが多いかという問題に帰着します。
その意味では、千葉県産「コメ」が安全宣言を出せて本当にホッとしました。
また、チェルノブイリのケースから、「乳製品にセシウム検出量が多い」と言っても、全乳を脂肪と脱脂乳に分ければ、その検出割合は20%と80%です。
たとえば、脂肪から作られるバターを考えると、全乳を100とするとそのうちバターではわずか1.2程度になってしまいます。
そのほかにもチェルノブイリのケースでは、ヨーロッパ各国とも放射能規制は「外国産には厳しく、国内産には甘い」という傾向がありましたし、「汚染レベルの高い地域ほど規制が甘く、汚染レベルの低い地域ほど規制が強い」といった傾向もあり、なかなか一筋縄ではいきません。
こうした内部被ばくは、個人ではなかなか防ぎきれるものではなく、政府はどれだけ情報公開しても公開しすぎることはありません。
千葉県も今後とも県産品の放射能測定や規制を徹底して、安全な食品流通に万全を期してまいりたいと思います。


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