私のところに住民投票の案件が二つ寄せられた。
不思議なもので、相談事というのは同じものが連続することが珍しくない。
一つは、松戸市上本郷の国保松戸市立病院の移転に関するもの。
もう一つは、他市にかかわるものである。
住民投票という制度は住民の意思が直接反映されるということで非常に貴重な制度である。
しかし、正直なところ、私は住民投票は万能ではないと思っている。
市町村合併など市全体にかかわる広域な問題については住民投票による民意を問うことが重要だと思う。
ところが、地域が限定される問題となると効力が疑問視されると思うのである。
たとえば清掃工場建設の場合、建設地近くの住民は反対する可能性が高いかも知れない。
しかし、住民の範囲を建設予定地から外へ広げていくと反対者が減っていく可能性がある。
清掃工場のようなどうしても必要な施設については、むしろそうした傾向が強いのではないだろうか。
つまり、住民投票では建設地周辺住民の声は少数意見だとして反映されない懸念がある。
住民投票は民意とは何か?という根源的な問題を私たちに突きつける。
市の有権者のうち何割が投票したら有効で何割以下なら無効なのか?これも意外に難しい。
たとえば市民の2割が投票したとして、そのうち8割が賛成したとする。
投票者の80%という圧倒的多数の賛成者は、市全体ではたったの16%に過ぎない。
したがって、広報活動は相当強力に進める必要があるのだが、多くの市民は関心を寄せないこともあるだろう。
やはり、住民投票になじむ問題となじまない問題とのたて分けについて厳密な議論が必要に思うのである。
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