日別アーカイブ: 2010年5月3日

63回目の憲法記念日に思う(第368回)

憲法は言うまでもなく、国のありようを規定する最高規範である。
今朝の朝日新聞に、憲法についての世論調査をしたという記事があった。
それによれば、「憲法を改正する必要がある」と答えた人は47%、「改正する必要がない」と答えた人が39%で、改正派が8ポイント上回っている。
しかし、「改憲が必要」と回答した人の52%が第9条は変えるべきではないとしているので、全体で67%の人が9条改正には反対しているという。
毎年のように「憲法は改正すべし」が多数派を占めるのだが、やはり問題は「ではどういう改正を国民は望んでいるのか?」である。
憲法は最高規範であるから当然のことながらその議論は国民あげてのものでなければならないし、相当活発になされねばならない。
ところが、2007年8月に衆参両院に設置された憲法審査会はこの3年の間にまだ一度たりとも開かれていない。
民主党の抵抗によるものである。
民主党は憲法の議論をすると護憲派と改正派が真っ二つに分かれ、党の結束が持たないというのである。
そもそも国の最高規範、根本中の根本についての考え方が180度異なっていて同じ党という方が不自然なのである。
それを自分たちの党が分裂してしまうから憲法の議論はタブーといういうのは本末転倒もはなはだしい。
それこそ憲法の認めている思想信条の自由に反する行為であろう。
憲法の議論の場まで党利党略に利用されては国民はたまったものではない。
何か大事なものを汚された気がするのである。