これから参議院選挙へ向けて各党のマニフェストが打ち出されてくる。
民主党の前回の衆議院選マニフェストには成長戦略がすっぽり抜け落ちており、その点を厳しく批判されたことは記憶に新しい。
わが党は、すでに短期と中長期とに分けた成長戦略を発表したところであるが、民主党はどうだろうか。
さて、成長戦略に必要なものは何かといえば、私はリアリティーだと思う。
国民の皆さんにどれだけリアリティを持ってもらえるかがすべての鍵だと思うのである。
たとえば昨年末に民主党が掲げた2020年までの目標のなかに次のような記述がある。
環境・エネルギー『新規市場50兆円超、新規雇用140万人』
健康(医療・介護)『新規市場45兆円、新規事業280万人』
これらに対して国民はどれほどリアリティーを感じただろうか?
ピンときた人がどれだけいただろうか?
たとえば健康の方の45兆円を280万人で割ると一人当たり1600万円となる。
実際の平均的な給与を仮に400万円とすると労働分配率は25%となるが、私の感覚ではこの分野はもっともっと労働集約的である。
すると、この給与は実は1000万円とかを想定しているのだろうか?
すると介護分野よりもはるかに医療分野が多いとか?
やはりどう考えてもリアリティがわかないのである。
環境・エネルギー分野のほうはさらにさらにどういう計算でこうなるのか分からない。
結局、リアリティのわかないものは絵空事としか思えないのであり、「ならば頑張ろう!」という気にはとてもとてもならないのである。
成長戦略は、確かに「書くは易く実現は難し」なのではあるが、政権党の成長戦略がこれではさすがにまずいだろうと思うのである。
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