日別アーカイブ: 2012年5月21日

ホルムアルデヒド断水の教訓

基準値を超えるホルムアルデヒドの検出により、19日に北千葉浄水場、栗山浄水場の取水が停止されました。
35万世帯が断水となり、皆様には大変ご迷惑をおかけしました。
かつては東葛地域の自治体も100%井戸水を使っていました。ところが、人口急増により水需要に対応するために北千葉広域水道企業団をつくりました。
松戸、柏、野田、流山、我孫子、八千代、習志野の7市と千葉県の8団体です。そして、構成団体である千葉県は北千葉の水を鎌ヶ谷、白井、市川、船橋へ配水しています。したがって、北千葉浄水場の影響は、11市に及んでいます。
さて、このたび江戸川の水からホルムアルデヒドが検出されたところですが、ホルムアルデヒドは水に溶けやすく、その水溶液がホルマリンです。生物標本の腐敗防止などに使われています。
1リットル中に0.9ミリグラムあったとして、それを毎日2リットル10年間飲んでも大丈夫と言います。
しかし、国の基準は0.08ミリグラムです。今回はその3倍ほどの数値となり取水を停止しました。
今回の教訓としなければならないことがいくつもあります。
大前提として、今後起こるかもしれない災害に対しての備えに資するものとしなければなりません。
今回の対応で良かった点、悪かった点を徹底的に検証しなければならないと思います。
まず、断水したところと断水を回避できたところとで何が違っていたのか?
それは、対策が不可能なことなのか?
たとえば災害対策用・緊急用の井戸はどう活用されたのか?
一つの浄水場がだめになった時に別の浄水場からの配水の代替ルートがあるのかないのか?
ないとすれば将来に備えて作れないのか?
こういう事態の際、上流のダム放流のマニュアルはどうなっているのか?
病院など優先的に水を供給しなければならないところへの給水対処は万全だったのか?
自衛隊の要請のタイミングは的確だったのか?
対策会議へ駆けつけるべき人がちゃんと駆けつけることができていたのか?
情報伝達手段はやはり今回も心配な点でした。
まず、「今の状況はどういう状況か?」「断水、減水はどうなるのか?」「給水はどうなるのか?」「健康への影響は心配ないのか?」「断水解消などの見通しはどうなのか?」
こうした情報を的確に出せていたのか?どういう方法で伝達されたのか?それは伝わっていたのか?
こうした検証をきっちり行うことが、そのまま災害対策につながると思うのです。
起こってしまったことを取り消すことはできません。今後の教訓に生かしていきたいと思うのです。