日別アーカイブ: 2010年9月17日

心もとない議会の同意権(第403回)

知事が議会の同意を求めねばならない事項がある。
「地方自治法」の規定では副知事や監査委員の選任、「警察法」の規定では公安委員の選任、「地方公務員法」の規定では人事委員や公平委員の選任、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の規定では教育委員の選任がそれに当たる。
これら委員の方々の任期が終わりかけると議会に委員選任の同意案件が付託される。
これが実に悩ましい。
同意の判断を迫られるわれわれはそれぞれの委員の方々を知らない。
わかるのは、その方の生年月日と経歴・現役職だけである。
お会いしたこともなく、どのようなお人柄かも分からない。
いずれも立派な経歴の方々なので、よもや不同意とはしにくいし、同意しない理由も見つからない。
知事が何らかの意味で必要だと思った人なのだろうから同意しようと言うくらいの考えしか浮かばない。
しかし、本当のところ知事が考えに考え抜いて委員を選んでいるのかどうか?
もちろん知事に尋ねれば、「熟慮して決めました」と答えるであろうことは聞くまでもない。
千葉県議会では教育委員に限っては教育についての各委員の思いや考えを文書で提出していただいている。
これは大きな前進だが、あくまで教育委員に限られている。
したがって、人事選任の同意を求められると、衆議院総選挙の際の最高裁判事の信任投票のときと同様の心もとなさを感じるのである。