日別アーカイブ: 2009年2月6日

買い物嫌いの時代(第245回)

電話の調子が悪い。通話中にしばしば切れる。どうもこちらの声が聞こえなくなってしまうようだ。
そこで先日、NTTと回線を繋ぐ契約をした。出費は痛いが固定電話もまだまだ生活必需品なので仕方がない。
数日後、NTTから膨れ上がった封書が届いた。
開けてビックリ、書類の束である。
何やら口座引落しの書類、クレジットカードで払う書類、マイラインの申し込みなどなどのようだ。
私はひと目見ただけでうんざりした。
この大量の細かい字の書類を読んで、申込用紙に書くなど考えただけで気が遠くなる。
今は電話料金一つとっても、同じ通信会社を使っていてさえ通信の仕方の選び方で料金が違う。
たとえば自分の携帯電話でありながら、自分がどういう料金課金方式を選んでいるかを知らない。
ましてやどういう考え方でその課金方式を選んだのかも分からない。
選び方によって、同じ使い方・同じ利用時間でも料金が異なるのである。
考えてみれば、スーパーのチラシを見ても今日は「おっ母さんが安い」、昨日は「ビッグエーが安かった」など毎日毎日同じ商品でも金額がまるで違うのである。
さらに何とかファンドといった金融商品も証券会社や銀行が異なればこれまた値段が違うらしい。
つまりは現代日本には一物一価の法則は通用せず、これから先ますます通用しない社会になっていくことが予想されるのである。
私は買い物が嫌いである。自分で買うものと言ったら90%が書物で、残り10%が文具だろう。
だいたい、服を買いに行くと一分一秒でも早く店を出たいものだから、ぱっと取ってぱっとレジへ行ってぱっと買って、必ず袖が長すぎるか短かすぎるのである。
そんな私が一物一価でないところへ放り込まれればますます買い物嫌いになるのは間違いない。