月別アーカイブ: 10月 2014

感震ブレーカーの設置補助制度を

津波火災今朝の朝日新聞は『大震災出火 3割が電気』と言う見出しで、日本火災学会の調査を1面トップで報じました。そして、内閣府が『感震ブレーカーの普及策などについて今月から本格的に検討する方針だ』としています。
実は、私は本年2月28日に県議会で初めてこの問題を取り上げています。
震災火災を防ぐ大きなポイントですので、少し長い引用ですがご容赦ください。

(藤井弘之)次に、出火原因を調べていきますと、津波により冠水した電力量計内の配線に塩分が付着し、絶縁低下または腐食により発熱し出火というパターンがありました。近代都市における直下型地震だった阪神・淡路大震災においても、地震後に継続的な出火が見られたのは通電火災だったと推定されています。その一方で、昨年12月8日に内閣府が発表した防災に関する世論調査では、揺れを感知すると自動的に電気をとめる感震ブレーカー設置率が6.6%にとどまっていると報道されておりました。
そこで、県として、感震ブレーカーの普及に取り組むべきと思いますが、いかがでしょうか。

(防災危機管理部長)(略)地震発生時に自動的に電流を遮断する装置、いわゆる感震ブレーカーの設置は、災害発生時に火災から生命及び身体を守るため効果が高いものと考えております。(略)住宅への感震ブレーカーの設置には県民一人一人の理解が不可欠であるので、消費者団体、電力会社、県などで構成いたします千葉県住宅防火対策推進協議会と連携して普及促進に積極的に取り組んでまいります。

(藤井弘之)もともと電気器具とか電気配線、配電設備等が原因の出火は3割ありまして、実は残念ながら原因がわからないという出火がかなりあります。それは大体4割あるんですが、そのうちの大半が実は通電火災ではないかというのが専門家の一致した見方です。そこで、車両もありますし、感震ブレーカーもありますし、この電気の問題をぜひ課題として大きく捉えていただきたいと思います。火災が発生いたしますと、仮に津波で大丈夫な避難場所であったとしても、今度は例えば気仙沼のように山火事ということになって、一転してそこが危険な場所になるということもありますので、この点、常に最新の情報を入れていただいて対応をお願いしたいと思います。

「桑名の駅」と「細雪」

清志町水害朝日新聞夕刊に、中原中也の詩「桑名の駅」の紹介記事がありました。
『桑名の夜は暗かった
蛙がコロコロ泣いてゐた』というフレーズで始まる詩です。
記事によれば『1935年8月、故郷の山口県から帰京の途中、東海道線が水害で不通となり、関西線回りで桑名駅に長時間停車した体験を描いたとされる』とあります。
これを読んで私が真っ先に思い出したのが谷崎潤一郎の「細雪」でした。
「細雪」には、700人以上の死者・行方不明者を出した昭和初期の阪神大豪雨についての描写があります。
『お春どん、あんた何処へ行かはるねん、この水の中を気でも違うたんか、これから先は男でも行かれへん、川の近くは家が潰れたり人が死んだりしてえらいこっちゃがなと云う。』
調べてみると阪神大豪雨は1938年でしたので、中也の詩の3年後の水害でした。
しかし、このように文学に表現される災害もあり、現代においても参考になる場合がしばしばあります。

「ブルーバックス」シリーズのこと

御嶽山の噴火から火山に興味が寄せられていることと思います。
私も参加させていただいている「日本火山の会」の創始者・竹内氏から情報が提供がありました。
ブルーバックスの『Q&A 火山噴火』が無料で配信されているというのです。
講談社の「ブルーバックス」シリーズは私の好きな新書群の一つです。
早速、ホームページを開いてみると、2001年に刊行し、すでに品切れになっている同書を編者の了解を得て全文無料配信していました。
ただし、11月30日までですので、ご興味のある方はダウンロードされてはいかがでしょうか?
URLは以下の通りです。
講談社ブルーバックス
『Q&A 火山噴火』全文無料配信のお知らせ
http://bluebacks.kodansha.co.jp/bsupport/kazan.html

台風18号災害対策本部立ち上げ

2014台風18号台風18号の接近により、千葉県本部として災害対策本部を立ち上げました。
写真は、平木参院議員や阿部、秋林県議たちが九十九里町の避難所へ向かって出発するときのものです。
さて、千葉県防災危機管理部の「平成26年台風18号の接近について」(第9報)17時40分発表によれば、人的被害は重症者3人、軽傷者11人。住家被害は半壊1棟、一部損壊7棟、床上浸水0、床下浸水4棟とされています。
そうしたなかで、肝を冷やしたのは、松戸市の48万人への避難勧告です。
要するに松戸市民全員です。考えられることは江戸川ないし利根川の決壊の恐れです。
城所正美市議に調べてもらうと、河川ではなく土砂災害だというではありませんか。土砂災害で48万人はないでしょう。
こんな勧告では、避難しようと思った人たちは右往左往するばかりです。
勧告が遅いという非難をかわすためにとりあえず出しましたという勧告だと受け取られるだけだと思います。

観測体制の再点検を

筑波山かつて測候所今朝の日経新聞に『大手町⇒北の丸公園』という見出しで気象観測地点移転の記事がありました。
私も以前から、「首都高や高層ビルに囲まれた気象庁本庁舎の観測点には問題があるのでは」と思っておりました。
毎年のように北関東などで最高気温を記録したとのニュースが流れますが、観測地点周辺にビルが建ったり道路がアスファルト舗装されたのではないかという疑問です。
観測地を変えることはデータの連続性には課題がありますが、むしろ富士山頂などの高所観測地や地方気象台が次々廃止されていく方が心配です。
御嶽山の地震計が故障していたという話もあります。経費削減もある程度は慎重に考えたいものです。
現在、台風18号が接近していますが、今後ますます気象災害が大きな問題となるでしょう。観測体制も再検討されるべき時のように思います。
(写真は2001年に測候所が廃止された筑波山です)