朝日新聞夕刊に、中原中也の詩「桑名の駅」の紹介記事がありました。
『桑名の夜は暗かった
蛙がコロコロ泣いてゐた』というフレーズで始まる詩です。
記事によれば『1935年8月、故郷の山口県から帰京の途中、東海道線が水害で不通となり、関西線回りで桑名駅に長時間停車した体験を描いたとされる』とあります。
これを読んで私が真っ先に思い出したのが谷崎潤一郎の「細雪」でした。
「細雪」には、700人以上の死者・行方不明者を出した昭和初期の阪神大豪雨についての描写があります。
『お春どん、あんた何処へ行かはるねん、この水の中を気でも違うたんか、これから先は男でも行かれへん、川の近くは家が潰れたり人が死んだりしてえらいこっちゃがなと云う。』
調べてみると阪神大豪雨は1938年でしたので、中也の詩の3年後の水害でした。
しかし、このように文学に表現される災害もあり、現代においても参考になる場合がしばしばあります。
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