日別アーカイブ: 2013年5月17日

災害対策の第一歩

5月16日に、政府から注目に値する発表がありました。『大規模火山災害対策への提言』です。
この提言の『はじめに』には『いつの日か再び大規模な火山災害が発生することは避けられないであろう』と記述されています。ここで言う『再び』とはどういうことでしょうか?
提言の参考資料の68ページに『巨大噴火の発生頻度』が書かれています。
それによれば、約数十万年前の阿寒カルデラをつくった噴火からはじまって、約7000年前の摩周カルデラをつくった噴火まで巨大噴火が13回数えられています。
つまり約1万年に1度の頻度で巨大噴火が起こっている計算で、現在は最後に起こった噴火から7000年経っているというわけです。
また、約7300年前に鬼界カルデラを形成した巨大噴火(屋久島付近の海中での噴火)がありましたが、これにより『南九州で生活していた縄文人はほぼ全滅したと考えられて』おり、『植物相の回復に数百年間を要した』(P69)とされています。
全く嫌な話です。科学的な知見が進めば進むほど、知らなければ良かったと思えるような事象が私たちの前に現れます。しかし、たとえそれが嫌な話であろうと、それを真正面から受け止めることから災害対策が始まることを心に銘記したいと思います。