日別アーカイブ: 2013年5月11日

電源喪失は津波?

今朝の毎日、日経新聞に注目すべき記事がありました。『「非常用電源 津波で喪失」東電福島原発データ解析』、『津波到達時のデータを発見』です。
記事によれば、『東京電力は10日、福島第1原発事故で、これまでないとしてきた津波到達時の非常用ディーゼル発電機の作動状況を示すデータが見つかったと発表した。』(日経新聞)。
国会事故調査委員会の報告は、津波ではなく地震動によって電源喪失としていましたが、実は非常用発電機が停止したのは午後3時36~37分であり、津波到達時刻と一致しているというわけです。
これが事実だとすると、国会事故調の指摘は誤りということになります。
しかし、ここで注意深く見ておかなければならないことは、実際の地震動は東電の想定していた地震動を上回っていたことです。
東西方向の最大加速度は、第2号機で550ガル、3号機で507ガル、5号機で548ガルでした。それぞれ東電が想定していた最大加速度よりも25.57%、14.97%、21.24%上回っています。
つまり、耐震設計上想定していないほど大きな地震動ではあったが、非常用電源はちゃんと起動したということになります。
すると、何のことはない、電源喪失という点でも単に大きな幸運に恵まれてたまたま免れたという話だったのですね。