日別アーカイブ: 2013年5月4日

千葉県の課題「渇水」

災害対策の専門家は「千葉県の弱点は渇水だ」と言います。
千葉県の九十九里平野一帯は、ほとんど天水田でしたので、まさに用水不足の常習地帯でした。そして、昭和8、9、15年の大干ばつの被害がよく語られます。
当地の「上総掘り」と言われる井戸の掘り方は有名ですし、昭和18年に着工し40年に竣工した両総用水は疎水百選にも選ばれています。そのように千葉県というと『渇水』というイメージがあります。
しかし、人口減少を見こし千葉県はダム計画を順次縮小してきました。見通しが正しかったかどうかはこの後の状況を見ていくしかありません。
そんな折に週刊ダイヤモンド5月11日号が上水道値上げ危険度ランキングを発表しました。
これは、水道事業コストが料金収入でどれだけ賄えているかというランキングで、賄えていない上位200市の中に松戸市を含め県内17市が入っています。コストの内容もバラバラですし、下水道料金とのバランスも見なければならず、あくまでも一つの目安です。
私が、注目したのは実はランキングそのものではなく、口径13ミリメートルの10立方メートル当たりの月額水道料金でした。
200市の中で最も高いのは、珠洲市の2446円、最も安いのは羽村市の546円で、その差は実に4.5倍です。
千葉県では、印西市が2310円、八千代市が934円で、2.5倍です。
これだけ差があると、単純に事業統合ができる金額差とは思えません。ところが、格差4.4倍でありながら水道事業を統合した市をダイヤモンド誌は紹介しています。案の定、値上げとなった地域の住民が訴訟を起こしているとのことです。
水道事業は各地域で様々な歴史的経緯を持って営まれてきましたから、それを統合するのは至難です。ましてや料金格差があればなおです。この裁判には全国の自治体が注視していることでしょう。私も今しばらくは裁判の推移を見守ってまいりたいと思います。