『国会事故調 報告書』を読まねばと思っていました。
600頁は、簡単に読める文章量ではありません。それでも細切れの時間を使ってガシガシと読んでいます。
僥倖に恵まれなければ、日本という国そのものが壊滅状態になった甚大な被害を思えば、調査は恣意的なものを絶対に廃さねばなりません。ところが、添付CDの会議録を読めば読むほど心が暗くなる一方です。
調査委員の野村氏が、SPEEDIの情報が海外へ流れていたのを知ったのはいつか、と担当者に尋ねる場面です。
野村「(略)文部科学省はいつの時点でそのことを知っておられたのか」
渡辺(文科省局次長)「(略)アメリカ、米軍には情報を外務省経由で流しておりましたが、外国政府に流れていたということは承知をしておりませんし、外国の機関に流れていたということは承知しておりません(略)」
野村「ちょっと私の聞き方が悪かったかもしれませんが、防衛相経由でアメリカの当局に流れているということは、それはいつの時点で承知されていたんでしょうか」
渡辺「アメリカ軍に対して外務省経由で流れていたことは承知をしております」
野村「いつの時点で」
渡辺「その意味で言うと、アメリカ軍にも行っているということなので、アメリカ政府にも行っていたと思います」
野村「もちろんそうだと思いますが、いつの時点で承知されていたんでしょうか」
渡辺「外務省に情報を提供したのは3月14日でございます」
日にちを尋ねるにもこんな調子ですから、調査委員会は相当難儀したことでしょう。
この文科省局次長氏には、『二度と重大な事故を起こさないために、原因を徹底検証しなければならない』という思いが感じられません。国民のために働くべき国家公務員にしてからこうですから、当事者ではどうなるのだろうかと心配になります。
心の暗くなる内容ではありますが、頑張って読んでまいります。
(写真は、3・11直後の宮城県沿岸部です)