日別アーカイブ: 2012年9月1日

9・1「防災の日」に思うこと

南海トラフの地震津波が新聞紙上を賑わすようになってきました。
それらを総合すると、私が当初思っていたよりも千葉県に被害が出る想定です。認識を改めたいと思います。
いずれにせよ、阪神淡路、東日本など甚大な被害の地震が続き、私たちが取ってきた対応の検証を行うチャンスが来たと受け止めたいと思っています。
阪神淡路の後、私は二つの大きな対策がスタートしたと認識しています。
一つは、災害拠点病院の指定であり、今一つはDMATです。
これらが東日本大震災に際してどう機能したのかという検証は行われるべきでしょう。
災害拠点病院は、全県下に散らばっている必要があります。災害により交通が遮断されてしまうことが十分考えられるからです。
たとえば、3・11の時も東京以西の救援車両は東京を通り抜けることができなかったため大きな迂回を余儀なくされました。
なかには、東京を迂回して長野~新潟~山形という具合に東北に入ろうとして、今度は長野県東部の地震(大きな余震とも言えますが)により足止めを食らったチームが少なくありませんでした。
さらに、現実的な問題として災害拠点病院の耐震性が担保されているのかかなり心配です。
DMATの方はどうだったでしょうか?
阪神淡路と異なり、重症者が極端に少なかったという現実があるにせよ、動員については格段にうまくいったという印象を持っています。これは東日本大震災に限らず、中越沖地震のときの医療チーム出動数の多さでも見て取れます。
これは間違いなく、ここまでくる過程での日ごろの講習に始まり、毎年繰り返される訓練、そして医療チーム全体のモチベーションの高さの賜物です。
私は、こうした人たち(DMATに限りません)の日ごろからの頑張りにもっともっと目を向けて、評価される社会でなければならないと思っています。
熱しやすく冷めやすいというのは日本人のみの特性ではないのでしょうが、災害大国に住むものとしては日ごろからの敬意というものを大切にしないと災害対策の進化もないと思うのです。