今日の朝日新聞夕刊は『シャープの堺工場 鴻海が筆頭株主に』と報じています。
亀山市にシャープが最新鋭の液晶パネル工場を建て、私も個人的に見に行ったことを昨日のことのように思い出します。今さらながら企業の栄枯盛衰を思います。
三重県はかつてない額の補助金を出してシャープを誘致し、それから今日まで補助金を積んで企業を誘致することが地方公共団体の『常識』になりました。
確かに、勝ち組負け組という観点で自治体を見ると、結局のところ税収など計数的にも企業誘致に成功したところが勝ち組になっていました。ところがここへきて、補助金を出して誘致した企業が相次いで撤退するケースが出てきました。
自治体側は、進出企業が撤退することを想定していませんでしたので、あわてて補助金返還を求めることになりました。
かくいう千葉県も茂原市からパナソニックの工場が撤退し、同社から補助金の返還となりました。
シャープだけではなく、「パナソニックよお前もか」と、商工労働部はショックを隠せません。
一部の政党は「それ見たことか!大企業優先の施策が失敗したのだ」と批判をしますが、地域経済や地域雇用を考えれば企業誘致政策は間違っていないと私は思います。
本当に幸いなことに、この茂原の工場はジャパンディスプレイが引き継ぐことになりました。
これは単に、茂原の話、千葉の話にとどまりません。私は、ジャパンディスプレイがうまく軌道に乗るかどうかはジャパンブランドの技術が生き残れるかどうかという極めて重大な局面だと認識しています。
仮に、ジャパンディスプレイが負け組になることがあれば、もうこの先を引き継ぐ企業はいません。
複数の企業の集合体と言う不利を乗り越えて、なんとしても勝ち残って欲しいと思います。
「技術で勝ってビジネスで負ける」とは最近の傾向のようではありますが、私は「良いものは良い」と言う当たり前の社会であるべしと心から願うものです。
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