国債残高が800兆円になろうとしています。
対GDP比でみるとイタリアやギリシヤよりもはるかに悪い状況ですが、わが国の国債は順調に消化されています。
順調に消化されていることは、他に投資先がないことの裏返しですので良いことか悪いことか何とも言えません。
ともあれ事実として順調に消化されていますので、単に国債残高のGDP比だけではなく、消化している保有者の考え、保有形態、経済状況などが消化具合の良し悪しにかかわるのだということはわかります。
さて、それでも国内消化には限りがあるのもまた事実です。
「週刊ダイヤモンド」2月11日号の野口悠紀雄氏の『超整理日記』によれば、消費税増税を加味したとしてもあと10年程度で国内金融機関の国債消化資金は底をつくと試算しています。しかもこれは楽観的な計算のようです。
いきなり話は変わりますが、原発の行く末も実は全く同じ構図に見えます。
新たな原子力発電所が建設できないとすると、既存の原発が老朽化すれば停止せざるを得なくなります。
聞くところによると九州電力の玄海原発などは使用済み核燃料プールの空き容量は3年分だとされていますので、そちらのタイムリミットの方が早い原発も出てくるでしょう。
すなわち、国債における「新たな投資先がない状態」イコール原発における「新たなエネルギー開発がない状態」にダブって見えます。
マネーとエネルギーと分野は異なりますが、いずれも日本経済に突き付けられた厳しい剣に変わりはありません。
こんなことは当然わかったうえで政策を打ち出していかねばなりませんし、議論をしていかねばなりません。
現在、東海・東南海・南海地震や首都直下型地震への対策が連日報じられていますが、マネーやエネルギーについても危機的状況だという受け止め方がなされているのでしょうか。
5年先10年先に焦点を当てた明確なビジョンを打ち出すタイミングを間違えれば、それこそ巨大地震並みの悲劇が到来するのです。
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