一体改革大綱 - 出揃った各紙の論調

今朝の各紙の社説はそろって一体改革大綱がテーマとなりました。
朝日新聞は、政府・与党の大綱決定を当然のこととしています。
民主党内にある反対論について「菅総理以来、3年ごしの議論を経て」「党内の大勢はとうに決しているはず」「先の党代表選で消費税増税を明言した野田首相を選んだのは民主党自身ではないか」と朝日新聞は憤っています。
そして結論として、「最後まで増税に反対する勢力がいるのならば、たもとを分かつしかない。首相にはその覚悟を強く求める」としています。
読売新聞は、「目指す方向は妥当である」と大綱について一定の評価しながらも、「最大の問題は、民主党が2009年衆院選の政権公約に掲げた「新年金制度」の実現に取り組む、と大綱に盛り込んだことだ」と大綱の中身には批判的です。
そして、小沢元代表のグループが「消費税引き上げ関連法案の提出を阻止する構えだ」しかし「法案提出の前提条件にすべきではない」
と民主党内の反対派を批判しています。
毎日新聞は、大綱の中身に詳細触れて疑問点を掲げています。そして「民主党議員のほとんどが新年金制度の実像を初めて知ったはずである」「財源の根拠を示さない項目がどさくさ紛れに盛り込まれた」とします。
そして、結論的には「現実的な論戦を重ねて妥協点を見出してほしい」と、やはり大綱の非現実的な面を指摘しています
さて、民主党マニフェストを見ると、菅総理のきりっとした顔写真が印象的です。うまいデザインだと思います。
しかし、内容の項目を一つ一つ見ていくと、どれもこれも大盤振る舞いでできないことだらけでした。
年金の項目を見ると、最初に書かれた「納めた保険料、受け取る年金が分かる年金通帳などの仕組みを作ります」は結局できませんでした。年金通帳は、当初は「すべての加入者に交付します」としていたのを、これはあまりに眉唾だということでその部分はカットしましたが、結局、誰にも交付できませんでした。
「年金の一元化」もできず、「後期高齢者医療制度は廃止し、2013年から新しい高齢者医療制度をスタートさせます」もできませんでした。
結局のところ、「年金制度の一元化、月額7万円の最低保障年金を実現するためにも、税制の抜本改革を実施します」という項目だけが生き残っています。
この生き残った項目をよくよく見ると、決して「一元化をやります」とは書いていません。「最低保障年金を実現します」とも書いていないのです。
「実現するためにも、税制の抜本改革を実施します」と書かれているのです。
もしかしたら、このことも民主党議員のほとんどが初めて知ったのではないでしょうか?


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