月別アーカイブ: 1月 2010

生きているのか死んでいるのか中期プログラム(第340回)

鳩山内閣は財務省に牛耳られているという。
なるほど、事業仕分けをみればいかにも財務省には限りなく甘く、厚生労働・文部科学・国土交通省には厳しかった。
その一方で鳩山首相は消費税をあげないと言い切った。
ところが肝心要の藤井財務大臣が辞任してしまい、しかも鳩山発言も簡単にぶれてしまうので消費税発言も信用できるものではない。
そこで、鳩山内閣が財務省に牛耳られているかどうかを見る一つの指標が表題に掲げた『中期プログラム』である。
麻生内閣での平成20年12月24日の閣議決定で、正式には『持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた「中期プログラム」』という。
以下、このプログラムのなかで『消費税』がどう語られているか列記してみよう。
『社会保障安定財源については(中略)消費税を主要な財源として確保する。これは税制抜本改革の一環として実現する。』
『景気回復に向けた集中的な取組により経済状況を好転させることを前提に、消費税を含む税制抜本改革を2011年度より実施できるよう、必要な法制上の措置をあらかじめ講じ、2010年代半ばまでに段階的に行って 持続可能な財政構造を確立する。』
『消費税の全額がいわゆる確立・制度化された年金、医療及び介護の社会保障給付及び少子化対策の費用に充てられることを予算・決算において明確にした上で、消費税率を検討する。その際、歳出面もあわせた視点に立って複数税率の検討等総合的な取組みを行うことにより低所得者の配慮について検討する。』
一つ前の記載で『必要な法制上の措置をあらかじめ講じ』の部分が実に用意周到である。
さて、もし財務省が鳩山内閣を牛耳っているとすれば、基本的に今後はここに書かれたような道筋で事態は動いていくであろう。
この点に注目していけば、牛耳り具合が判明する。
この「中期プログラム」には『納税者番号の導入の準備を含め(中略)課税の適正化を図る。』という記述もあって、これなどはまさに現実の事態はそう動いている。
ことは税の問題である。目を離すわけには行かないのである。

禁煙マラソンと私(第339回)

私が自慢できる数少ないことの一つが禁煙である。
12月2日の産経新聞に練馬区が『携帯電話で禁煙をサポート』という記事があった。
これは奈良女子大の高橋裕子教授が主宰する「禁煙マラソン事務局」と連携して禁煙のための個別支援を携帯電話で行おうという試みである。
実は、私は高橋先生の指導による禁煙マラソンに第2期生として参加し禁煙に成功したのだ。
それまでは毎日2箱を吸うスモーカーで、どんなに我慢しても車を運転するときとお茶を飲むときにはタバコをやめることが出来なかった。
それが、高橋先生の的確なご指導と禁煙マラソンに参加した大勢の仲間たちと励ましあいによってやめることが出来たのである。
当時は、インターネットによる指導だったが、現在は携帯電話での指導と禁煙マラソンがどんどん進化しているのが嬉しい。
お世話になった高橋先生のご努力に心から敬意を表します。

民主党政権初の予算編成(第338回)

さる12月25日、2010年度予算案が閣議決定された。
その内容は、日経新聞の伝えるある経済団体幹部の感想「20年以上前の時代感覚でやっているとしか思えない」 というのが本質をついている。
新規国債の発行額は44兆3030億円、国債依存度は10.4ポイントも高い48%と過去最高となった。
一般歳出も3.3%増の53兆4542億円となり過去最大である。
それでも民主党が4年間を見すえたはずのマニフェストは早くも数ヶ月しかたっていないのに破綻している。
暫定税率は廃止を断念、高速道路の無料化もやらないのだという。
もし、子ども手当てが満額の5兆5000億円、農家の戸別所得補償も満額の1兆円、高速道路の無料化で1兆3000億円だとすると58兆3370円となり、一般歳出は実に6兆6060億円、12.8%という途方もない増額増率となる。
そのうえで暫定税率を廃止してしまうと2兆5000億円の財源不足となるので、これら全てを借金でまかなえば国債発行額は53兆4090億円という計算になる。
この金額は、実は過去最大となった今回の民主党一般歳出額とほぼ同額なのである。
言い方をかえると、もし民主党がマニフェストで国民に提示してきたバラ色のような政策を実行したとしたら55.0%という途方もない国債依存度となってしまうのである。
いかに民主党のマニフェストが酷いものだったかと言うことがこのことからもわかる。
また、無駄を省けば財源はあるとしてきた主張も嘘だったことが明確となった。
民主主義国家においては、政権党が政策を誤ったり汚職などの事件を起こせば政権交代がなされるのが当たり前のことであり、それがなされなかったことが異常だったのである。
民主党も政策運営を誤り、党首が税逃れをし、幹事長が不明朗な政治資金の使い方をし、説明ができないとなれば政権党たり得ないのは当然のことだ。
政治はイメージではない。結果責任である。
政治を厳しく監視してこそ民主主義は守り育てることができるのである。

新型インフルエンザへの対処法(第337回)

今朝の毎日新聞は、県内初の新型インフルエンザによる死亡を報じた。
亡くなった方は働き盛りの男性(43歳)で持病もなかったという。
1月1日早朝に腰や喉の痛みを訴え午前中に病院で受診したものの帰宅した後に急変して救急搬送。
1月2日夜8時過ぎに肺炎や呼吸困難に陥りお亡くなりになったという。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
千葉県議会12月定例会において新型インフルエンザ・ワクチン接種に反対する政党があった。
反対の理由が、新型インフルエンザより新型インフルエンザ・ワクチンの方が死亡率が高いと言う不可解な主張であった。
自分たちが信念に基づいてワクチンを接種しないだけならともかく、千葉県民にも打たせないということが何を意味するのか真剣に考えて欲しい。
もしワクチンが危険であるなら、なぜ想定以上に多くの医療関係者がワクチン接種を希望したのか。常識で考えて欲しいのである。
今回お亡くなりになった方のケースで見過ごすことの出来ないことは『発熱』していなという点である。
かつて問題となった(現時点でもなお重大な問題だが)サーズの場合は感染したら必ず発熱するという特徴があった。
しかも、サーズは感染後3?4日後から感染すると言われている。
すなわち成田空港等で入国者の発熱の有無を調べれば、水際作戦が十分通用するのである。
ところが、インフルエンザは発熱前から感染するし、感染直後から感染する。
すなわち水際作戦はまるで成立しない。
自分自身が感染に気付かないうちに、サーズなどよりも圧倒的に感染力の強いウイルスを保持したまま人口過密の都市に紛れてしまう。
これがインフルエンザなのだ。
したがって、今の時点ではもっとも効果的な新型インフルエンザへの対処法はワクチンしかないという結論になる。
今後、もしワクチンに余剰があるようなら私も打つべきかと思っている。