日別アーカイブ: 2010年1月10日

民主党政権初の予算編成(第338回)

さる12月25日、2010年度予算案が閣議決定された。
その内容は、日経新聞の伝えるある経済団体幹部の感想「20年以上前の時代感覚でやっているとしか思えない」 というのが本質をついている。
新規国債の発行額は44兆3030億円、国債依存度は10.4ポイントも高い48%と過去最高となった。
一般歳出も3.3%増の53兆4542億円となり過去最大である。
それでも民主党が4年間を見すえたはずのマニフェストは早くも数ヶ月しかたっていないのに破綻している。
暫定税率は廃止を断念、高速道路の無料化もやらないのだという。
もし、子ども手当てが満額の5兆5000億円、農家の戸別所得補償も満額の1兆円、高速道路の無料化で1兆3000億円だとすると58兆3370円となり、一般歳出は実に6兆6060億円、12.8%という途方もない増額増率となる。
そのうえで暫定税率を廃止してしまうと2兆5000億円の財源不足となるので、これら全てを借金でまかなえば国債発行額は53兆4090億円という計算になる。
この金額は、実は過去最大となった今回の民主党一般歳出額とほぼ同額なのである。
言い方をかえると、もし民主党がマニフェストで国民に提示してきたバラ色のような政策を実行したとしたら55.0%という途方もない国債依存度となってしまうのである。
いかに民主党のマニフェストが酷いものだったかと言うことがこのことからもわかる。
また、無駄を省けば財源はあるとしてきた主張も嘘だったことが明確となった。
民主主義国家においては、政権党が政策を誤ったり汚職などの事件を起こせば政権交代がなされるのが当たり前のことであり、それがなされなかったことが異常だったのである。
民主党も政策運営を誤り、党首が税逃れをし、幹事長が不明朗な政治資金の使い方をし、説明ができないとなれば政権党たり得ないのは当然のことだ。
政治はイメージではない。結果責任である。
政治を厳しく監視してこそ民主主義は守り育てることができるのである。