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2009年11月26日 「天下りのいる事業」=(イコール)「不必要」とは限らない(第331回)

事業仕分けが連日話題である。
テレビや新聞で毎日トップに取り上げられる。
民主党人気の理由の一つに、この事業仕分けがあるとも見える。
しかし、構想日本の「事業仕分け」を初めてマニフェストに掲げたのは公明党であることは記しておきたい。
平成17年に千代田区の構想日本を訪ね、千葉県本部の議員を対象にした研修会の講師を依頼した。
そして同年11月19日、ホテルグリーンタワー千葉で千葉県所属議員は「事業仕分け」を初めて学んだ。
それだけに、これを機に県内自治体でも事業仕分けを実施するところが現れたことはうれしい限りであった。
その後も着実に全国各地の自治体で事業仕分けが展開されたことは、紛れもなく構想日本が優秀な仕分け人を用意してきたことが最大の理由だろう。
これまで出会ったことのない自治体職員同士が出会って、同じ事業について議論するというだけでも極めて有意義なことだが、それを公開で議論する場を設けた手柄は大きい。
しかしその手柄の大きさの割には、当時マスコミは地元紙中心の報道にとどまった。
それが、ここへ来ての変りようである。
構想日本代表の加藤氏が一番驚いているのではないだろうか。
千葉県は、四年前に構想日本による事業仕分けを行った。
その後、県はプロジェクトチームを立ち上げて県庁内部で全庁的に全事業について事業仕分けを行った。
その結果、(私の記憶では)50億円ほどのムダを無くすことができたという。
しかしながら、それはあくまでも公開で行ったものではないので事業仕分けとは似て非なるものである。
したがって、これまで公明党県議団は事業仕分け第2弾を実施すべしと訴えて来た。
県は時期尚早という考えのようだが、事業仕分けにスポットが当たっている今こそ第2段実施のときだと声を大にして訴えたい。
また、このチャンスを逃すと優秀な仕分け人を集めることがきわめて困難になるだろう。

「天下りのいる事業」=(イコール)「不必要」とは限らない(第331回)

自分の誕生日に借金のことを話題にするのは心地良いものではない。
しかし、今朝の「日本の借金時計」を見るとおおよそ864兆9655万8258円75銭の債務残高だという。
これは一人当たり677万3594円54銭だという。
国に借金があること自体は問題ではない。むしろない方が問題とも言える。
問題は、なぜこれほど巨額なのかということである。
ある人は言う。
「自分の金は大事に使うが人の金はいい加減に使う」
「縦割り行政が問題だ」
いちいちもっともなのだが、これらの事情は世界各国どこも同じである。
にもかかわらず日本だけが飛びぬけて借金が多いということには必ず理由があるはずである。
あくまで私見ではあるが、「和以為貴」という話合いの文化というか、誰も損しないようにまとめるという風土があるのかもしれない。
そしてもう一つは、営々と続いてきた天下り慣行ではないか。
この見方が正しいかどうか自信はないが、敵(反対する者)をも包含していこうという根源的文化的な問題もあると思うのである。
その事業が必要か不必要かという議論するとき問題になることがある。
それは必要であれ不必要であれに関係なく、ほとんどの事業に天下りが存在し、また談合が行われている疑いがあるということなのである。
すると必要な事業であれ、天下りがいるから悪という結果になりかねないし、談合があるから中止ということになりかねない。
「不正」と「必要不必要」は切り離して考えないと、わが国においては多くの事業がストップしかねない。
これは実に不幸なことだ。
現在国が行っている事業仕分けでは、科学技術予算の多くが不要とされ批判が高まっている。
この事業仕分けでは「天下りはいますか?」が重要な切り口になっている。
それが単一の判断材料になっては、国の進むべき方向を誤る。
「天下り」禁止は厳正な公務員改革によって何としても断行してもらいたい ことであって、それをそのまま事業の必要不必要の仕分けの論理に使うのは判断を誤る危険性があると思うのである。
※それに、民主党に日本郵政に天下りはいますか?何人いますか?誰が天下りさせたのですか?」 と立て続けに訊いてみたい人はたくさんいるのではないか。