月別アーカイブ: 10月 2014

災害予知の難しさ

桜島噴火記30年前に出版され、忘れられていた本がこのたび南方新社から復刊されました。
柳川喜郎著『桜島噴火記』。大正3年1月12日の桜島大噴火の記録です。
東桜島小学校の片隅に噴火の碑が建っています。その碑文にはこういう記述があります。
『(略)旧噴火口ヨリハ白煙ヲ揚ル等、刻刻容易ナラザル現象ナリシヲ以テ、村長ハ数回測候所ニ判定ヲ求メシモ、桜島ニハ噴火ナシト答フ。
故ニ村長ハ残留ノ住民ニ、狼狽シテ避難スルニ及バズト諭達セシガ、間モナク大爆発シテ(略)』
当時の測候所の任務に火山観測はありません。ただ旧式の地震計が1台ありました。それから100年たった御嶽山の地震計が故障したままで観測できていませんでした。100年前とほとんど変わっていない状況に驚くばかりです。
わが国には常時監視が必要な火山が約50座。せめて50億円程度の観測費用は必要でしょう。しかし、現実の予算はその10分の1以下です。
防災は予算の優先順位から再検討が必要だと思います。

新潟中越地震から10年

東海道新幹線2004年10月23日17時56分に発生した中越地震(M6.8)から10年目となります。何年たっても被災された方々の悲しみは無くなるものではなく、そのことを思うと胸が痛みます。
さて、20日の朝日新聞「中越地震10年後の教訓」という記事に上越新幹線に関する記述がありました。
『上越新幹線「とき325号」は長岡市内を走行中に地震で車両が脱線した。新幹線車両としては初めての脱線。』『高架橋など構造物の耐震対策は、大きな被害があった1995年の阪神大震災以降に進められてきた。』
「とき325号」は滝谷トンネルを出て1.2㎞ほど長岡へ進んだ地点、十日町と村松町の町境付近を走っていたと思われます。
長岡駅に停まるために減速していたとはいえ200㎞のスピードです。よくぞ死者負傷者がゼロだったと思います。
その理由は、記事にある通り高架橋の支柱補強をしていたのです。
さて、東海道新幹線は約45%が(高架橋ですらなく)盛土です。
対策はしているのでしょうが、横浜~小田原など高さ5mの盛土の上を走るたびに本当に大丈夫なのかと心配になるのです。

世界に誇れるオーケストラ

4中ブラバン千葉県には「少年少女オーケストラ」という世界に誇れる楽団があります。なかなか聞きにはいけませんので、時々CDを聴いています。
このほど松戸市立第四中学校吹奏楽部が、第20回東関東吹奏楽コンクールの中学校A部門金賞に輝き、来週名古屋で開催される全国大会に出場します。
本日行われた第1回「松飛台まつり」のオープニングセレモニーの演奏を聴き、思わず「Play With Heart」という同吹奏楽部のCDを購入したのでした。そして、今その「partⅢ」を聴きながらパソコンに向かっているのですが、驚くほど見事な演奏です。ミュージカル「レ・ミゼラブル」のテーマを取り入れるなどさすが金賞の名演だと感銘しています。
全国の強豪校が続々と参加することと思いますが、悔いなく実力を発揮してほしいと切に願います。

戦没者追悼式にて

戦没者追悼式松戸市戦没者追悼式が行われました。毎年、ご遺族の話を伺いながら戦争のこと、平和のことを考えます。
昭和初期、特に1931年の満州事変から1937年の日中全面戦争への激流のような歴史の流れを考えます。
関東軍の動きを政治が止められなかったこと、国際連盟の脱退、ワシントン海軍軍縮条約の破棄、そしてそれらが日独伊防共協定へつながっていったことなどを考えます。
歴史に「もし」はないのですが、そうした激流の中に、もし自分が身を置いていたらどうだったのだろうと思うのです。
戦没者追悼式のなかで、政党政治とはどうあるべきか、外交とはどうあるべきか、そして政治家はどうあるべきなのかを真剣に考えなければならないと思いを新たにするのです。

「障がい者差別撤廃条例」のこと

表題の条例は千葉県が全国をリードして制定した県民の誇りでもあります。
ところが先日、ある方が「障がい者差別撤廃条例は長崎県が一番いい」と言うのです。
確かに、千葉県条例の第2条(定義)は、きちんと書き込んだ方が良いのかなと思っていますが、それでも非常に良い条例です。
本当に長崎が一番良いのなら見習わねばなりませんので、読み比べてみました。
長崎県のものは、差別解決のための手続きのなかで、知事の勧告に従わないときは『その旨を公表できる』(第36条)という罰則規定があり、これは千葉県にないものです。
しかし、千葉県条例には何と言っても第26条『障害のある人が、差別をしたと認められる者に対して提訴する訴訟(略)』『に要する費用の貸付けその他援助をすることができる』という訴訟援助規定があります。
どちらが優れているか、『障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例』をお読みいただければと思います。