災害予知の難しさ

桜島噴火記30年前に出版され、忘れられていた本がこのたび南方新社から復刊されました。
柳川喜郎著『桜島噴火記』。大正3年1月12日の桜島大噴火の記録です。
東桜島小学校の片隅に噴火の碑が建っています。その碑文にはこういう記述があります。
『(略)旧噴火口ヨリハ白煙ヲ揚ル等、刻刻容易ナラザル現象ナリシヲ以テ、村長ハ数回測候所ニ判定ヲ求メシモ、桜島ニハ噴火ナシト答フ。
故ニ村長ハ残留ノ住民ニ、狼狽シテ避難スルニ及バズト諭達セシガ、間モナク大爆発シテ(略)』
当時の測候所の任務に火山観測はありません。ただ旧式の地震計が1台ありました。それから100年たった御嶽山の地震計が故障したままで観測できていませんでした。100年前とほとんど変わっていない状況に驚くばかりです。
わが国には常時監視が必要な火山が約50座。せめて50億円程度の観測費用は必要でしょう。しかし、現実の予算はその10分の1以下です。
防災は予算の優先順位から再検討が必要だと思います。


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