月別アーカイブ: 8月 2016

「山の日」に思う

20160809宇奈月ダム8月11日は「山の日」です。
ほとんど人が行かない山の話です。
林道から右に分岐する送電線の巡視路があり、私はいつもそれを利用させてもらっていました。
巡視路ですから山頂に向かうのではなく、どこまでも山腹を巻いていきます。
人知れずこの道を定期的に歩く人がいるのだと思うと、何となく連帯感めいたものを覚えました。
そもそも送電線を敷くのは途方もない仕事です。送電線が伸びているのを見ると、あの下を重荷に喘いで登る人の苦闘を感じます。
一方、私は山中で送電線に助けられることがしばしばありました。送電線と山道がクロスする地点で地図上の自分の位置を確認出来るのです。もっとも今の地図は送電線を記載しなくなってしまいましたが。
巡視路を歩いたり、送電線で位置確認をして一喜一憂した人などまずいないことでしょう。
私にとって「山の日」は、山を仕事場にする人の苦労に少しばかり思いをはせる日、そんなことを思いました。

誰がする?交付税措置

「臨財債の返済は本当に出来るのか?」自治体議員はやむにやまれず質問します。
これに対する財政当局の典型的な答えは「国が交付税措置をしますので大丈夫です」というものです。
議員は反論します「国であれ無い袖は振れない。臨財債発行は国を当てにすべきではない」と。

今の臨財債は、国と地方で借金をして発行しています。すでに臨財債の返済にも臨財債を発行している現実があります。
こうした背景を考えれば、臨財債返済に不安を感じない人はいないでしょう。借金の将来へのつけ回しはいつまでもできるものではありません。
ここに全く異なる第3の回答もあります。
「自分の金でもないのに交付税措置するとはナニ様ですか!」
そうなのです。そもそも地方交付税は地方の財源であって、国のものではありません。
自治体財政担当者は、(実際に財政を破たんさせつつある人たちに)一度は一喝したいのではないかと勝手に想像をたくましくしています。

決算見込みの真意とは

20160805決算見込千葉県総務部から『平成27年度一般会計決算見込みの概要について』という文書が郵送されて来ました。
この内容をどう県民の皆様にお伝えするかにいつも悩みます。
この文書のポイントは3点です。
1、歳入(2.7%、447億円)、歳出(3.4%、551億円)ともに増加。
2、歳入は景気回復による県税収入の増加。歳出は社会保障費の増加によるもの。
3、実質収支は14億円の黒字。
普通に見れば、「ああそう」という感じでしょう。
しかし、景気には好不況がありますので、税収はいつも増えるとは限りません。その一方で、社会保障費は今後も伸びる一方でしょう。
すると、わずか14億円程度の黒字で大丈夫?との疑問が生じます。
今後の生産人口の減少を考えれば、歳入を増やすのは容易ではありません。また、国はすでに地方交付税を全額出すことができず、自ら借金をするだけではなく自治体にも借金をさせています。今ではその借金返済のためにさらに借金を重ねている状態です。
県にしてみれば「それは国の問題」ということで、この文書には書けないのかもしれませんが、それにしてもう少し危機感を滲ませるべきなのではと思うのです。