月別アーカイブ: 3月 2014

信用度がリスクを決める

小学生のころ、清酒の蓋集めが流行り、多くの蓋を持っている者、珍しい蓋を持っている者がうらやましがられました。
珍しい蓋は大関とか黄桜という普通の蓋10枚とか20枚と交換できました。
しかし、ほどなく飽きてしまい、蓋の価値はいきなりゼロになりました。
私たちが普通に使っている紙幣も政府を信用しているから価値を持っています。私たちは、銀行を信用しているから預金をし、JRを信用しているからスイカをチャージします。
政府を信用していない時代は、日本経済は中国の通貨で動いていました。預金額やチャージの金額は、銀行やJRへの(倒産しないだろうという)信用度によります。
ビットコインのように、どの権力機構からの信用供与もなく、ただインターネットを介する人たちだけで信用しあうことで成立しているマネーは非常に興味がありました。
この清酒の蓋よりも現実感のないものを人はどれだけ信用できるかという問題です。
信用の度合いと信用する人口規模の二つがマネーには必要なのかもしれません。

地下街の無秩序

1月23日の中日新聞に『全国の地下街78カ所調査』『耐震診断、半数が未実施』という記事がありました。
「名古屋=地下街」ですから、なるほど中日新聞らしい記事だと思った次第です。
この記事にあるように災害対策において地下街は取り残された存在です。特に水害には脆弱です。
災害列島の日本で、なぜ広大な地下街が発達したか。それは法律がなかったからです。つまり『無秩序開発』だったのです。
ではなぜ、無秩序開発だったのかというと、Wikipedia の『東京メトロ銀座線』の項にそのヒントがあります。
こう書かれています。
『浅草駅にて松屋浅草店、上野広小路駅にて松坂屋上野店、三越前にて日本橋三越本店、日本橋駅にて高島屋東京店、銀座駅にて銀座三越駅と松屋銀座と松坂屋銀座店、渋谷駅にて東急百貨店東横店と繋がっている』
実は、百貨店に地下鉄敷設資金を提供してもらう代わりに地下道との接続を許したのです。
これが無秩序地下街の歴史ですが、今となってはもう法的規制は難しいでしょうね。

国による自治体制裁

今朝の千葉日報でひときわ注目したのが『給与カット拒否に「制裁」』という記事でした。
これは、「2013年度の地方公務員給与を削減して欲しい」という国からの要請を拒否した自治体への補助金をカットするというものです。
法律上、国と自治体に上下関係はありませんので、国から削減要請をすることは許されるとしても強制はできないことになっています。
しかしながら、「要請」にもかかわらず、国は自治体に渡す「交付税」からその分を削減してきました。国は「制裁はしない」と言いながら、事実上「制裁」した形です。
今朝の記事は、さらにその上で今度は補助金をカットするという話です。
そして、国は「制裁ではない。あくまでも削減に応じた自治体を手厚くしただけ」だというのです。
むしろ、これは制裁だと言ってもらった方がいっそ気持ちが良い気がします。ことの良し悪しはさておき、少なくとも国に対する信頼感も削減された気がします。