月別アーカイブ: 10月 2013

国の動向を注視

地方財政は、悲しいほど「国任せ」です。それも「国会」と言うよりも「財務省VS総務省」という対立?が鍵を握っているという不可思議な構造です。
10月17日の千葉日報に『公共事業の特別会計廃止』という記事がありました。
『「社会資本整備事業特会」は廃止し、資金の大半を一般会計に組み入れる。農林水産関連の三つの特会は一つに統合する』『資金活用の効率の悪さや会計内容の不透明さが指摘されている特会を整理して、歳出抑制に取り組む姿勢をアピールする狙いがある』という記事です。
特会を一般会計に組み込んでも、三つを一つに統合しても、それで透明性が確保されるわけではなく効率が良くなるものでもありません。歳出抑制が重要だとしても本当に必要な事業を中止されては困ってしまいます。
たとえば社会資本整備事業では九十九里浜の養浜事業を進めていますが、この予算が削られてしまえば美しい海岸風景が完全に失われてしまいます。
仮に削減する事業があるとすれば、その事業の効果とコストを明らかにすることが大前提であり、それは特会を廃止・統合することとはイコールではないことを指摘しておきたいと思います。

台風26号の猛威

10月15日は、台風26号の災害対策本部立ち上げのために千葉市泊まりとなりました。
16日未明からが本格的な荒天となり、刻々と県下の情報が集まってきます。
我孫子市の関さんは5時から動き回っているとのこと。若松地域などの冠水状況の報告がありました。
県議の割り振りは、阿部、秋林、私が対策本部。塚定、赤間、石川、横山が地元での対応としました。
午前中のうちに阿部さん、秋林さんに、市原の塚定さんと合流してもらい五井地区へ。私は川浪事務長と留守番。
午後になると今度は冠水や越水だけではなくがけ崩れ、道路の路盤崩れ、崩落の報告が入り始めました。
ともかくも人命にかかわらないことを祈る一日でした。

日本・ベネズエラ外交75周年交流コンサート

今日は、日本・ベネズエラ外交樹立75周年記念事業の『エル・システマ・ユース・オーケストラ・オブ・カラカス』と『千葉県少年少女オーケストラ』との交流コンサートに参加させていただきました。
所要のため、第一部が終わった所からの参加となりました。
第二部は、『オーケストラ・オブ・カラカス』によるチャイコフスキー「交響曲第5番」から始まり、ショスタコーヴィチ「祝典序曲」で終わります。
通常のコンサートなら順序が逆で、『5番』で盛り上がりに盛り上がって閉幕となるのですが、今回は祝典序曲で終わります。
それは、『オーケストラ・オブ・カラカス』と『少年少女オーケストラ』との合同演奏だからです。
エル・システマは団員がステージびっしりとひしめき合い、しかもみな巨体です。ヴァイオリンがおもちゃのように見えます。久しぶりに非日本的な分厚いサウンドにもみくちゃにされました。
拍手が鳴りやむと団員の半分が退場し、そこに少年少女オーケストラが入って合同演奏です。
祝典序曲の最後の最後で、先ほど退場した金管メンバーが3階席に陣取っていて、客席後方から一斉に吹き始めました。
前方ステージからと後方3階席からの圧倒的なサウンドにサンドイッチ状態で、大感動のうちに交流コンサートは幕を閉じました。
演奏者にはもちろんですが、関係の皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。

湯ノ岳断層その後

東日本大震災直後の4月11日、最大震度6弱の余震が福島県いわき市を襲いました。その震源のひとつが湯ノ岳断層です。
この断層により、スパリゾートハワイアンズは長期休業に、いわきゴルフクラブは廃業に追い込まれました。
このほど当地のK寺院のご厚意で周辺の状況を調査させていただきました。
断層は寺院敷地の西側が最大1.3メートル低下。参道石段を登ったところにあった山門は、屋根の部分だけでも7トンの重さがあり、山門支柱の半分にそれだけの荷重がかかり倒壊しました。
現在は、山門も本堂も地盤変状の無かった部分へ移築中であり、それに合わせて参道石段についても上部の付け替えが行われていました。
寺院敷地内の枝垂桜など特徴ある樹木は全て移稙されていましたが、参道部分の樹木からは地盤変状直後の写真によって断層のずれた箇所が確認できました。
現地調査にご協力いただきましたご住職、ご住職夫人ならびに国兼ホーム様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

いずこにありや地方分権

道州制や地方分権はどこに行ってしまったのでしょうか?
ある人が言いました。
「堺市長選で維新の会が敗れ、地方分権は何歩も後退した」
実際のところ、何歩後退したかは分かりませんが、結局「五十歩百歩」だという意見があります。
その理由は二つです。
一つは、都道府県を廃止して道州制にするにしても、そもそも憲法改正までは誰も考えていません。したがって、『県』という組織が『道州』という組織に置き換わるだけで、それほど大きな変革にはならないということです。
二つには、むしろこちらの方がより重大なことなのですが、この議論に議会が参加していないのです。
知事会の意見はマスコミも取り上げますが、議長会の意見がテレビや新聞で報じられたことを見たことがありません。
知事はあくまでも執行機関の長なのであって、条例など立法に関わっているのは議会なのです。その議会の長が参加していないということは、要するに道州制であれ地方分権であれ、立法には無関係だということを意味します。
道州制や地方分権の議論がどれほど精彩を欠いても、誰も気にも留めないのは、おそらく『ほとんど変わらない』という本質を見抜いているからだと思うのです。