最近のニュースを見ていて、行政刷新会議のメンバーに選ばれた片山善博氏(元鳥取県知事)の発言が一番的をついていた。
『思いつきで地方自治体を混乱させてはならない』という趣旨の発言である。
これほど痛烈な民主党批判はない。
民主党政治を一言で表現するキーワードは『思いつき』だからである。
民主党が、21年度補正予算の執行停止をやりはじめたことで、地方自治体は大きく混乱した。
『子ども応援特別手当』の執行停止では、葛飾区はじめ先進的な取り組みをしてきた自治体ほど実害を受けた。
市・区民、県民の血税を無駄にしたのであるから、ごめんなさいの紙一枚ですむ問題ではない。
このほかにもいきなり停止となった予算は幾つもある。
誰が考えても、いきなり停止では行政は運営できないことは分るだろう。
八ツ場ダムのいきなり中止にも唖然としたが、政治は人々の生活に責任を負っているのである。
なぜその当たり前のことが分らないのか。なぜその当たり前のことをやろうとしないのか。
今度は、郵政社長に元大蔵次官を起用するという。
これまであれほど「脱官僚」と言い張ってきたのを忘れたのであろうか?
日銀総裁人事をはじめ、ことごとく官僚出身者の起用を反対し続けてきたのはどこの誰だったのか?
まるで原理原則が無いではないか。
その昔、共産国の政治は非常に分りにくかった。
ソ連政治を読み取るのに、政治家の並び順で今後のソ連政治の動きを読み取ったりした。
中国では上海など巨大都市の共産党首脳の動きを追ったりした。
しかし、ソ連政治も中国政治も謎は多かったとは言え、謎である以上謎解きは出来た。
しかし、民主党政治は謎解きすら出来ない。
『思いつき』だからである。
さらに困ったことに、これまで散々「説明責任を果たせ」と迫ってきたことすら忘れてしまっている。
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