総務省の「平成20年地方公務員給与実態調査」によれば、地方公務員の給与水準は平成16年以降5年連続で国家公務員を下回っているという。
平成20年4月1日でのラスパイレス指数は全国平均で98.7となっている。
地方財政は総じて非常に厳しい状況にあるが、民間企業と異なり一義的には財政の厳しさとの連動はない。
千葉県は100.6で都道府県の中では15位となっている。これは国家公務員の水準は上回るが、その一方で財政の厳しさから県独自で3%の給与削減措置を取り続けている。
政令市の比較では千葉市が102.3で17市の中で第7位、中核市の比較では39市の中で船橋市が105.2で第1位、柏市が101.1で第13位となっている。
これら以外の一般市では武蔵野市104.6が第1位で夕張市の68.6が最下位である。
したがって、平成20年度の全体の第1位は船橋市となった。
千葉県内の上位市を追っていくと、成田市が103.6、我孫子市が103.5、市川市が103.2となっている。
これらの水準が高いか低いかの判断を求められるのが地方自治というものであり、こうしたラスパイレス指数のような情報を多くの有権者が共有しなければならないのだと思う。
ところが、その一方で勤務内容がハードなのかそうでないのかという仕事の厳しさとの連動がまるで分らない。
しかも実際には、各種手当ての水準の適正化のチェックも必要だ。
扶養手当、住居手当、初任給調整手当、通勤手当、単身赴任手当、特殊勤務手当、管理職手当、特地勤務手当、時間外勤務手当、宿日直手当、管理職員特別勤務手当、夜間勤務手当、休日勤務手当、寒冷地手当などなどだ。
このうえに退職金の問題もある。
2006年に調整手当てがなくなり、地域手当というものが創設された。
給与水準の引き下げにともない創設されたのだという説明である。
この地域手当ての支給割合が全国ばらばらで、これまたよく分からない。
かつて千葉県議会で職員給与の特殊手当について茨城県との比較しながらただしたことがある。
答弁を聞きながら思ったことは、なるほど茨城よりは千葉の方が手当てが少ないようだが、全国で見ればどうなのだろうということだった。
茨城県を調査するのも正直なところ四苦八苦だった。当時は、これを全国規模で調査するのは気の遠くなる作業だなと思った。
しつこさと嫌われても気付かない振りをする根性が必要だとしみじみ思った。
司馬遼太郎「竜馬がゆく」に登場する勝海舟のように「百聞は一見にしかず」を貫きながら地道に調査を続けたい。
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